市民から賛否の声出る鉄道館 市が建設費を1.4億削減
2022年03月07日 のニュース
京都府福知山市は、4日に開かれた市議会3月定例会の代表質問に答える形で、岡ノの福知山城公園親水広場内への移転新築に向けて計画が進む「(仮称)福知山鉄道館ポッポランド」の建設費(公園整備費など含む)について、昨夏に示していた約7億2300万円から見直し、約5億8300万円で調整を進めていることを明らかにした。
鉄道館は新町商店街(下新町)にあったが、老朽化の問題で休館。その後、有識者らでつくる委員会から「分散型設置を」と提言を受け、市では費用対効果などの検討を進めたが、2019年に個人から2億円(建設費1億5千万円、運営費5千万円予定)の寄付があり、移転新築の計画が進んだ経緯がある。
議員は「寄付金を大きく超える建設費や景観を損なうことで福知山城の価値が下がるなど、市民から建設の是非を問う声がある。昨年9月議会で当初予定の4億円程度に大幅に見直すように求めたが、市の見解は」と質問した。
産業政策部長は「現在、実施設計を進めており、設計の練り直しや展示内容の見直しで、建設費を(基本設計時から)絞りこんだ。寄付金以外の財源確保も検討しており、市の財政負担を減らすように調整を進めている」とし、「建物はしっくい調の白壁と瓦ぶき屋根で周囲と調和のとれた景観にする。一部を除き平屋建てにし、周囲からの眺望を損なわないようにしたい」と述べた。
また前川二郎副市長は「寄付の要件を満たした施設として、ゆらのガーデン隣接地で検討を進めてきた。当初予定地から、地元自治会からの意見を踏まえ、建設地を親水広場内に変更し、建物の構造も見直しが必要となり、建設費が増えた。実施設計前の概算約7億2300万円が、市民に確定した額のように伝わってしまった。国庫補助金の見通しがつき次第、施設概要、事業費、財源内訳を議会や市民に伝えたい」と答弁した。
写真=年初時点での鉄道館のイメージパース