国際宇宙ステーションでアルミ板を曝露 コアマシナリーが製品提供

2022年02月19日 のニュース

 京都府福知山市三和町芦渕の精密機械部品製造業、コアマシナリー社(岡本真樹社長)が、宇宙産業における総合的なサービスを展開する会社が取り組む「スペースデリバリープロジェクト」に、協力企業のひとつとして参加している。製品を載せたロケットが20日未明に打ち上げられる。

 プロジェクトは、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」上にある船外曝露実験設備(ExBAS)を活用し、宇宙空間にさらして回収した物品が参加団体の手元に戻ってくるというもの。JAXA(宇宙航空研究開発機構)から事業者選定を受けたSpaceBD社(本社・東京都中央区、永崎将利社長)が、取り組んでいる。

 これまで研究目的が多かった曝露サービスの裾野を広げるため、プロジェクトに参加した団体に、宇宙から帰還したものだという付加価値を付けて、アルミ板を記念品として提供することを考えた。

 そこで、アルミ板に宇宙空間でも問題が発生しない塗装ができる会社を探し、アルミ表面の染色などができるコアマシナリーに依頼。コアマシナリーは普段、半導体製造装置の部品などを製造しているが、技術をより複雑な工程に使うことができないかと、協力を決めた。

 2020年11月に初回の打ち合わせをしてから試作を繰り返し、JAXAの審査を経て昨夏に納品。縦横約7センチ、厚さ5ミリのものと、名刺サイズほどのアルミ板に、企業や学校のロゴ、イラストなどのデザインを加工した計11種類65枚を手掛けた。

■20日に米国から打ち上げ予定■

 プロジェクトは今回が第1弾で、民間企業や研究機関など計10者が参加。研究用素材やアルミ板などを補給船に搭載し、ISSに輸送する。補給船は、日本時間で20日午前2時39分、米国バージニア州のNASAワロップス飛行施設の基地から打ち上げられる。

 アルミ板は、宇宙空間にさらされたあと、2022年中に回収され地球に戻ってくる予定。

 岡本社長は「当社の部品製造技術をさまざまな角度から応用して、参加企業らの希望する色やデザインを形にしました。国際宇宙ステーションを活用した宇宙ビジネスの先駆けに関わる仕事ができて光栄に思います。宇宙空間で曝露を終えて帰ってきたアイテムを受け取った方の笑顔が見られる日を楽しみにしています」と話している。

 

 

写真上=ISS船外実験プラットフォーム。赤い丸で囲んだところがExBAS搭載場所(c)JAXA・NASA

写真下=コアマシナリーが手掛けたアルミ板(3枚を除く)

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