京都府緑化センターで漆の絵付け 伝統文化を体験

2021年12月25日 のニュース

 夜久野で守り継がれている丹波漆の魅力を知る、漆の絵付け体験会が福知山市夜久野高原(夜久野町平野)の京都府緑化センターでこのほど開かれた。雪が積もるあいにくの天気の日だったが、定員いっぱいの10人が熱心に訪れ、伝統文化の一端を垣間見た。

 参加者は丸盆かコーヒーカップかを選び、用意された型紙の中から好みの絵柄を器にあてて、赤や黄、青など6色の漆を付けたスポンジをたたいて、絵付けをしていった。

 紅葉の野を表現する人、月と福知山城をあしらう人、由良川のアユを描く人など様々。粘りのある漆が器にのっていく感触を確かめながら絵付けを仕上げた。

■府無形民俗文化財を次代へと■

 夜久野では、府無形民俗文化財に指定されている丹波の漆掻きを盛んにし、次代へつないでいくためNPO法人丹波漆が、漆の木の植栽に取り組んでいる。獣害や木の病気もあって苦労しているが、府緑化センターの協力もあって少しずつ木が増えてきた。

 漆の木は世話を続けて15年ほどすると、ようやく漆の採取ができる。専用の道具で木の肌に傷をつけ、自分を守るために木が出す漆を1滴ずつ掻き取る作業が、初夏から秋にかけて続く。掻き続けると、やがて木は枯れてしまうため、感謝しながら伐採する。こうして採取できる量は、1本の木から、わずか200㏄ほどにすぎない。講師役を務めたNPO法人丹波漆の山内耕祐さんは、漆を「木の命を分けてもらった貴重な液」だと説明し、参加者たちは木に感謝。漆を大事に取り扱いながら「すてきなカップに仕上がりました。早くコーヒーを飲んでみたい」などと話していた。

 体験会は府緑化センターのほか、山内さんら丹波漆の役員、市やくの木と漆の館の職員が訪れ、参加者たちの指導をした。


写真=漆の特性を紹介しながら絵付けの指導をする山内さん

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