事故や災害時に頼って 聴覚障害者支援の手話・筆談可能をビブスで視覚化
2021年10月30日 のニュース

京都府福知山市内の聴覚障害者や支援者らの5団体でつくる「福知山ネットワーク」(古高春美代表、約70人)は、災害現場や避難所などで、支援者が身に着けて存在をアピールできるビブスを作った。2種類あり、「手話」か「筆談します」の文字が入った目立つデザインで、「一人でも多くの人に着てほしい」と、支援する意思のある人に配布している。
聴覚障害がある人は、事故や災害時に情報を得にくく、状況が把握できなかったり、逃げればよいかどうかの判断がしづらい。そこで、災害時などに居合わせた支援者が、その存在を知らせ、当事者たちが頼れるようにするためにビブスを作った。
同様のビブスは、市社会福祉協議会が2013年の福知山花火大会露店爆発事故を受けて作っている。今回は同ネットワークが赤い羽根共同募金の助成を活用し、100枚ずつ作製した。ビブスはオレンジ色で、文字は背面全体と左胸部分に入れた。
同ネットワークに所属する支援者のほか、市が主催した要約筆記講座や手話入門課程の修了者に、手作りの筆談ボードとともに配布した。
ビブスは「聴覚障害への理解者がいます」というメッセージを示すもので、着用した人もコミュニケーションが取れずに困った場合は、市聴覚言語障害センターにつなぐよう依頼している。
一般にも配布しており、手作りの筆談ボードも併せて渡す。
中村事務局長は「もしもの時に、聴覚に障害のある人たちが安心して行動できるよう、着用してもらえたらうれしい。支援の輪が広がるよう普及していきたい」と話している。
写真=聴覚障害者へ支援者の存在をアピールできるビブスを作った
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