「午後も仕事がんばって」 障害者施設が販売の弁当に手描きの箸袋
2021年08月19日 のニュース

「午後からもお仕事がんばってください」-。京都府福知山市南栄町の障害者就労支援施設「しあわせネット・勇気」の仲間(利用者)たちが、市役所などで販売している弁当の箸袋に、応援メッセージを手書きしている。昨年4月から始め、新型コロナウイルス禍で暗い気持ちになりがちな中、「少しでも元気をつけてもらいたい」と続けている。
同施設では毎週木曜日正午ごろから、市役所2階のカフェスペースで、利用者らで作った弁当を販売している。弁当に添える箸の袋詰めも自分たちでしており、「袋にメッセージを書いたら面白いのでは?」と考え、取り組みを始めた。
「おいしいお弁当めし上がれ」「いつもお疲れ様です」といった内容で、「水分をしっかり取り熱中症に気をつけよう」など季節に合わせたメッセージも。中にはイラストが描かれたものもある。一膳ずつ手書きで、6人ほどが施設での仕事の合間に取り組んでいる。

購入者の中には、箸袋の内容を見て「きょうはこれにする」と弁当を決める人もいる。また、メッセージを書いている仲間が弁当の販売に立つこともあり、箸袋の内容のことで話しかけられるなど、交流のきっかけにもなっているという。
よく弁当を購入している市経営戦略課の片山琢哉さん(40)は、「個性的な絵や気持ちのこもったメッセージを見ると、ほっとした気持ちになり、よりおいしく頂けます」と話していた。
仲間の一人、深田美希さんは「お弁当を買ってくれるお客さんのことを考えて、コメントを書いています。喜んでもらえればうれしいです」と笑顔を見せていた。
弁当は毎回、20個から30個ほどを用意し、一般の購入も可能。税込み600円の弁当と、500円の丼がある。内容は週替わりで、クリスマスなどは特別メニューにしている。団体などへの予約販売もある。問い合わせは同施設、電話0773(22)4659へ。
写真上=元気になれるメッセージが入った箸袋
写真下=仲間たちが一膳ずつ手書きしている