縦横に但馬の自動車道-整備事業が進展 豊岡IC24年秋開通
2021年06月27日 のニュース

但馬の自動車道整備が縦横に進んでいる。京阪神と結ぶ北近畿豊岡自動車道、京都府丹後・鳥取県・島根県方面と兵庫県但馬を結ぶ山陰近畿自動車道で、このほど相次いで事業進展があった。
国土交通省近畿地方整備局は、北近畿豊岡自動車道の仮称・豊岡IC(インターチェンジ)について、開通は2024年秋との見通しを示した。但馬地方の医療拠点となっている公立豊岡病院の近くに建設中で、豊岡市中心部にも近い。
このほど策定した「防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム(近畿版)」の中で公表した。
北近畿豊岡道は、丹波市春日町の舞鶴自動車道春日IC・JCT(ジャンクション)から、兵庫県内の丹波・但馬地方の延長約73キロを結んで建設が進んでいる。国道483号として一部区間(遠阪トンネル部分、普通車320円)を除き通行無料。
05年4月に春日IC-氷上IC間が開通し、その後、朝来市、養父市を経て、昨年10月に豊岡市内の但馬空港ICまでつながった。

豊岡道の延伸は、但馬と京阪神都市圏との時間距離を大幅に短縮。福知山を含め北近畿の車の流れを大きく変えてきた。これが豊岡ICまで延びることによって、豊岡市のアクセスが一段と向上する。
■広がるドクターカー30分圏■
また豊岡病院はドクターヘリのほか、夜間や天候不良時でも運用できるドクターカーを24時間運行しており、但馬の多くの範囲をカバー。ドクターカーと各消防署から出動して患者を乗せた救急車が30分以内に合流、医療行為を開始できる「ドクターカー30分圏」が、豊岡IC開通により、地図の上では福知山市夜久野町の一部、丹波市青垣町の一部にまで広がる。
豊岡ICより先についても、豊岡市新堂の仮称・豊岡北IC・JCTまでの5・1キロ区間が昨年度事業化されている。

■丹後、鳥取と結ぶ動脈に 山陰近畿道と接続決定■
豊岡北IC・JCTは、日本海沿いを通る山陰近畿自動車道(正式名称・鳥取豊岡宮津自動車道)と接続している。国交省は21年度予算で豊岡北-竹野IC間4・9キロの新規事業化を発表した。これで豊岡道と山陰近畿道がつながることが、正式に決まった。
山陰近畿道は京都市から宮津市へ延びてきた京都縦貫道が、そのまま日本海沿いに鳥取県へとつながる形のルートで、延長約120キロ。京都府内は京丹後大宮ICまで開通している。
兵庫県内も香住、浜坂など一部区間が開通。鳥取県内でも岩美などの一部区間が開通している。鳥取市内で鳥取自動車道・国道9号とつながる。
さらに鳥取県内では山口県までつながる山陰道の整備が進み、最後の未開通区間となっている、はわいIC-大栄東伯IC13・5キロが26年開通の予定となっている。
写真上=北近畿豊岡道・但馬空港IC。豊岡ICへ延伸工事が進んでいる
写真中=北近畿と鳥取で整備中の自動車道(鳥取県県土整備部道路企画課作成「山陰近畿自動車道の整備状況」から)
写真下=鳥取県内の山陰近畿自動車道(岩美IC付近)