鳥獣被害対策に専従職員採用 福知山市が全国の市町村で初めて
2020年12月18日 のニュース
京都府福知山市は、鳥獣被害対策に専従する正規職員「鳥獣対策員」を新設する。専門的知見を持つ人材を求めて公募。市は「鳥獣被害の抜本的な解決に」と意気込む。定員1人で任用期間は来年度から3年間。経歴などにより、最高で課長補佐級(参考年収約710万円)で登用する。
鳥獣対策員の正規採用は、市町村では全国初の試みという。
福知山市は森林が多く、市内に生息するシカの数は増加傾向にあって、2019年で推定約1万頭に上る。
農作物の被害額は、防除網や捕獲などの対策を進め、ピーク時から4割ほど減らしてはいるものの、年間3千万円~4千万円の状態が続く。
秋になると、クマの出没情報が増えて人里に近づくこともしばしば。アライグマなどの住宅侵入の報告もある。
鳥獣被害対策は農林業振興課が所管している。職員は一般事務職で、他の業務も抱えていて、鳥獣被害だけにかかることはできない。市は鳥獣対策員を同課に配置して、地域の事情に応じた対策の推進をめざす。
対策員は、鳥獣被害防止対策の立案と実施、集落に入っての指導などを担う。鳥獣被害対策に情報通信技術を活用する兵庫県立大学と市が連携する取り組みの加速化への役割にも期待している。
農林業振興課と職員採用担当の職員課は「非常勤ではなく、常勤採用ということで、市の本気度を推し量っていただきたい。何としても鳥獣被害対策を進めたい」と声をそろえる。
募集条件は、鳥獣対策などの職務経験が来年3月末日時点で通算して1年以上あり、狩猟免許の資格保持者(来年度中に取得見込みも可)。年齢制限はない。
申し込み締め切りは来年1月18日。書類選考、面接、最終面接で採用者を決める。
写真=年々生息数が増えているシカ(8月、牧で)