「古里によく帰ってきてくれた」 今季初 由良川にサケ戻る
2020年10月28日 のニュース

京都府福知山市波江と石本の間を流れる由良川支流の牧川に設置したサケの捕獲網に、今季初の雄2匹が掛かった。今後も捕獲を続け、人工授精した卵を地域住民らの協力も得て飼育し、来春に稚魚を放流する。
古里の川に回帰するサケを通じて郷土愛を育み、河川環境保全への関心を高めたいと、福知山、舞鶴、綾部3市の有志で作る「由良川サケ環境保全実行委員会」(佐々木幹夫会長)が活動に取り組んでいる。
網を張った25日の時点で、設置箇所から下流約1キロの由良川との合流点付近でサケの目撃情報があり、関係者が遡上に期待していた。
今季初ものは27日に掛かった体長50~60センチの雄2匹。採卵・授精を担当する牧川養殖漁業生産組合の衣川務組合長が、28日に生け簀に移して福知山市内の養殖施設に運んだ。今後は地場の卵と移入卵を、希望する個人や団体などに12月から1月にかけて配布して飼育してもらい、来年3月上旬に放流する計画。
佐々木会長は「よく帰ってきてくれた。サケが古里の川を忘れずに戻ってくることが、地域の元気につながっていけばうれしい」と話していた。
卵の飼育希望の申し込み、問い合わせは、実行委員会事務局=電話(42)2222、ファクス(42)1810=へ。
写真=古里の由良川におかえり。今季初のサケを捕獲(28日午前10時5分ごろ)