亡き父の助言に恩返しの全国1位 大江製茶工場の勝田さん
2020年09月24日 のニュース

第74回全国茶品評会のかぶせ茶の部でこのほど、京都府福知山市大江町小原田の大江製茶工場、勝田裕之さん(35)が最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。福知山市内関係では8年ぶりの受賞で、全国から出品された104点の中から選ばれた。
全国品評会は日本茶業の発展を目的に毎年開かれており、鹿児島、静岡、宇治などの有名産地から、えりすぐりの逸品が集う。今年は夏に鹿児島市で開かれ、審査員たちが茶葉の形、色、味などを200点満点で評価した。
勝田さん=綾部市在住=は大江町小原田出身。府立農業大学校を卒業後、家業を継いで、弟の洋平さん(34)=大江町金屋=と、由良川沿いの土(つち)区にある茶園3・2ヘクタールで生産している。
かぶせ茶は遮光幕で茶の木を覆ってうまみを引き出す。青みを伴った光沢を備えた外観、爽快な香味とうま味がよく調和した味などと評価された。
「今年は3密を避けるため、機械摘みだけにしました。上位入賞するには当たり前になっている手摘みのものには、とてもかなわないと思っていましたので、1位に選ばれてびっくりしました」と驚く。
今年4月に亡くなった父・孝男さんから技術を教わった。「日ごろの管理をおろそかにしとったら、良いもんはできひん」と父から諭されてきたといい、「虫がつかないように防除をしたり、草刈りや施肥などをとにかくこまめにしてきました。受賞は父への恩返しにもなります。来年も1位を目指したい」と笑顔を見せた。
18日に市役所を訪れ受賞を報告。大橋一夫市長は「福知山茶が、全国的に見ても品質が高いことを示してもらった。市にとっても大きな誇りになり、今後も期待をしています」とたたえた。
写真=受賞の報告をする勝田さん