水害で壁など崩落した室観音堂 改築して落慶法要
2020年09月22日 のニュース
京都府福知山市の室(むろ)区(田中定行区長、90人)は、改築工事が完了した室観音堂で18日に落慶入仏法要を営んだ。地元住民約30人が集まり、手を合わせて完成を祝った。
観音堂は地区を見渡せる高台にあり、聖観世音菩薩を祭っている。いつ建てられたのかは定かでないが、文久2年(1862)と記されたお札が貼られていて、少なくとも約160年の歴史があるとみられる。
長年春と秋の彼岸には、住民が交代でお参りしたり、地元の女性たちが維持管理に努めてきた。劣化が進み、これまでにも修復をしてきたが、2014年8月と18年7月の豪雨でお堂の屋根や壁が崩落。限界がきていると判断し、改築することにした。
6月8日から工事に取り掛かり、9月11日に完成。お堂は実情に合わせて、畳から土間に変え、広さは約8平方メートルに縮小。聖観世音菩薩像も修理した。
大興寺の有賀祖道住職が導師を務めて法要が営まれ、住民たちは般若心経を唱えて、手を合わせた。
田中区長は「無病息災と家内安全を願って祭られたものでしょう。改築を機に新たな気持ちで、村をあげて大切に守っていきたい」と話した。
写真=室観音堂で落慶法要が営まれた