河川改修でコロニー減少 音無瀬橋上流の藪でサギが子育て
2020年04月12日 のニュース

京都府福知山市内の由良川には、野生の鳥たちが安心できる数少ない場所がある。音無瀬橋上流左岸の雑木林、通称「明智藪」=蛇ケ端御藪=。毎年この時期になるとサギの仲間が営巣し、子育ての準備に取り掛かる。今年も上空では、親鳥たちが忙しく飛び回っている。
藪は由良川と支流の法川との合流点付近にあり、多くの動植物が生息。サギの餌となる魚がいる川がすぐそばにあることから、昔から営巣地として知られる。
生息しているのはダイサギ、コサギ、アオサギなどで、アユを食べるカワウの休み場にもなっている。
サギの仲間は50~60羽いるとみられる。カラスなどの外敵からひなを守るために、見晴らしの良い藪のてっぺん付近で巣作りをする。
巣は小枝などで最初から作るほか、前に作られた巣をそのまま使ったり、古い巣を補強する例もあるという。
産卵は例年だと4月終わりごろから。府の緑の指導員で、野鳥やクマなどの保護活動をする森方徹さん(73)=堀=によると、今年は暖冬の影響でサギの動きが活発になり、すでに産卵が始まっていることも考えられるという。早いものでは5月下旬にひながかえると予測している。
森方さんは「福知山市内では河川改修で木が伐採されている所が多く、サギのコロニー(集団営巣地)が残っているのはここぐらい。しかも、以前より面積が小さくなっているようで、サギの数は10年ほど前の半分くらいに減っています」と話している。
写真=藪の上を飛ぶサギ
【参照】「明智薮」の呼称について