京都府北部で初の感染 市民に不安広がる
2020年03月09日 のニュース

京都府内8例目、府北部で初めての新型コロナウイルス感染が確認されたことを受けて、市民は不安を募らせている。
福知山市立福知山市民病院に勤務する女性介護福祉士が感染していることが7日に判明。病院は診療を中止している。
2月末に市民病院で診察を受けた70代の女性は「(10日以降に)診察の予約があるけれど、いったいどうなるのでしょうか」と不安げな様子。三和町に住む60代の男性は「5日に妻が市民病院に行っていたので不安です。今までどこか他人事だと思っていましたが、身近な話題だと感じた。まさかこんなところにまで感染が広がるなんて」と厳しい表情。
小学3年生の娘(9)と商業施設を訪れていた40代の男性は「不安です。これまで以上に手洗いなどに気を付けたい。ただ、子どもの休みが長期になるので、ストレス解消などが大変です」とこぼした。
また、毎日、他府県に商品を納入している40代の男性は「営業先で福知山から来たというだけで警戒され、仕事に支障が出ないか心配」と声を落としていた。
■ネット速報をプリント、町内会全戸に配布■
「出来る範囲で対応しよう」と自主的に動く自治会もある。高齢者が多い西町自治会(大西勝己自治会長)は8日、両丹日日新聞が前日夜に配信した感染者に関するネット速報記事をA4判にプリントし、自治会(町内会)の全戸に配布した。コロナに関する情報を流すとともに、住民に感染防止の注意喚起をした。(8日は両丹日日新聞休刊日)
より早く、住民に新型コロナウイルスの情報を知らせようと、大西自治会長(68)が地元老人会の公手均会長(81)に相談して決めた。
感染した女性が綾部市在住のため、同市のフェイスブックに載っていた感染防止のためにすべき手洗いなどの注意点も加えた。
大西自治会長夫妻が区内の57戸(62世帯)のポストに投函。公手会長は「高齢者は重症化する率が高いと言われているので、こうした情報を知らせてもらえるのはありがたい」と言う。
大西自治会長は「高齢者や基礎疾患のある方らは感染リスクが高く、注意を促すために配りました。今後も速報が出て、必要な場合は情報を伝えていきたい」と話している。
写真=両丹日日新聞の速報記事をプリントして見る大西自治会長(右)と公手老人会長