鳴かぬホトトギス、光秀なら? 元NHKの松平定知さんが講演
2020年02月17日 のニュース

元NHKアナウンサー、松平定知さんの講演会が15日、京都府福知山市中ノの厚生会館であった。「その時歴史が動いた 明智光秀公編」と題し、謎が多い光秀の人物像、主君を討った本能寺の変の動機などに迫った。
■「信念に忠実な人物」と持論■
福知山ロータリークラブ(福島慶太会長)の奉仕プロジェクト事業で、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放送を記念して企画。歴史情報番組「その時歴史が動いた」や大みそかの紅白歌合戦の総合司会などを務めた松平さんを講師に招き、約1千人が訪れた。両丹日日新聞社など後援。
松平さんは番組での語り口そのままに、「光秀は好きな人物なので、大河ドラマになったというのは大変うれしい」と話し始めた。光秀の出自が謎で、いろいろな説があることには「それだけ多くの人に慕われている証拠です。いろんな話があって良い」と話し、「光秀という人は曲がったことが嫌いで、自分の信念に忠実だったと思う」と自身の光秀像を示した。
そこから、主君の織田信長を討った本能寺の変にも触れ、単独犯行だった▽黒幕がいた▽本能寺の変は無かった-という各説を紹介。「個人的には羽柴秀吉が黒幕だったと考えています。本能寺の変で信長が死んだという情報をいち早く手に入れていたことや、その後に光秀を追い詰めるまでの流れが出来すぎているように思います。誰が本能寺の変で得をしたかを考えると、秀吉以外ありません」と話した。

■桃映中が授業で団体聴講して質問■
このあと、講演を聞いた北小谷ケ丘の桃映中学校(岸本裕治校長)2年生81人のうち代表6人が舞台に上がり、「光秀がホトトギスについて一句詠んだらどんな句にすると思いますか?」「信長を討った後、光秀はどうしようと思っていたんですか?」などの質問を投げかけた。
松平さんは「いい質問」と返しながら、「誰かが言っていたかもしれませんが『鳴かぬなら はなしてやれよ ホトトギス』と言ったんじゃないかな」「光秀は自分が天下人になろうとは思っておらず、室町幕府時代の秩序ある日本に立ち返ろうとしていたと思う」と、一つひとつにじっくりと答えた。
桃映中2年生は今年度、地元を愛する心を育てキャリア教育にもつなげようと、総合的な学習の時間で地域の歴史や文化などについて学習をしている。講演会にも事前学習をして、参加した。
写真上=光秀について話す松平さん
写真下=質問に立つ桃映中の生徒