大寒なのに…雪降らぬ記録的暖冬 農家に打撃
2020年01月20日 のニュース
今年は記録的な暖冬で、全国各地で影響が出ている。京都府北部の福知山市内では、山の冠雪はあったものの、ほとんどの地域で雪はまだ降っていない。最も寒くなるとされる「大寒」の20日朝は、最低気温が0・5度(午前6時)と、平年より1・2度高く、3月上旬並みの気温だった。
気象庁によると、今冬は冷え込みが弱く、福知山市では一日の最高気温が10度を下回る日が少ない。最低気温が0度以下だったのは、12月が2日、今月が19日までで5日のみにとどまる。市立小中学校の3学期が始まった8日は、17・3度の最高気温を記録した。
暖冬の影響で、農家が打撃を受けている。市公設地方卸売市場の卸売業者、福知山合同青果の稲場勝・取締役部長(45)によると、野菜が育ちすぎて、早く一気に収穫するため、全体的に安価となっているという。
「特にハクサイや白ネギなど鍋用の野菜の価格が下がっている。昨年の半値ほどになっているものもあるが、冷え込まないので売れ行きも良くない」と話す。
また、「春野菜の出来具合や収穫量が心配で、とくにタケノコが気掛かり」という。
牧の農業生産法人株式会社味歩里は「ここまで雪が降らないと、山に蓄えられる水が少なくなり、春先の米づくりに支障が出ないか心配」と頭を抱える。
■除雪車の出動ゼロ■
市道路河川課によると、今冬の凍結防止剤の散布作業、除雪車の出動はゼロ。昨年度は11日の出動があり、散布と除雪には約4400万円かかった。
末広町のガソリンスタンドを経営する株式会社福知山石油は、「灯油の売り上げが伸びない。冬用タイヤに交換する台数も少ない」という。
気象庁によると、向こう一週間の近畿地方は、北部では、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、雨または雪の降る日が多い見込み。最高気温、最低気温は、ともに期間の初めは平年並みか平年より高く、その後は平年よりかなり高く、降水量は、平年並みか平年より多いとみている。
写真上=市公設地方卸売市場に持ち込まれたハクサイなど
写真下=まだ出動がない除雪車=大江町南山の府道493号沿いで