最優先課題は「中小企業の事業継続」 福知山商議所新会頭

2019年12月07日 のニュース

 北近畿の経済の中心地・京都府福知山市の経済界を代表する福知山商工会議所の会頭が、22年ぶりに代わった。前会頭からバトンを受けたのは、1期3年にわたり副会頭を務めた中庄本店社長の塩見和之氏(61)。スローガンを「継続と変革」とし、「商工業の活性化を図り、住みよく夢のあるまちにしたい」と意気込む。そんな塩見氏に、抱負や最優先課題、花火大会再開への思いなどを聞いた。

最優先課題は、中小企業の事業継続。福知山は、2009年に4192の事業所があったが、16年には3820事業所にまで減少しており、「大廃業時代を迎え、減少傾向にある。創業に力を入れることも大切だが、まずは事業継続への支援が重要」といい、「環境に適応した変革が必要で、そのためのサポートに全力を注ぎたい」と話す。

このほかの取り組みでは、企業の人手不足対応▽IT・IoT活用の推進▽行政、関係機関への要望強化▽事業承継▽観光振興-などを挙げる。

鉄道や肉、教育など、福知山市は「○○のまち」という多くのキャッチフレーズを掲げ、地域振興を図っている。そのうち、観光振興で重要視するのは、スイーツのまち。「城下町には、良い菓子がある。観光客を引き寄せる強い要素であり、差別化も図りやすい」とし、市と一緒にさらに推進する考えを示した。

露天商の屋台爆発事故から長年開催が見送られている花火大会についても言及。「商工会議所が花火大会を主催することは、考えていない。あれだけ大きなイベントを、10人余りの職員で切り盛りするには、リスクが大きすぎる」とする。

一方で、「再開を求める声はたくさん届いており、経済効果も絶大。地域活性化に貢献してきたことも事実で、多くの職員やスタッフを抱え、リスク対応できる組織が取り組むのであれば、協力はできる」とした。

そして「若者が帰ってきたいと思えるまち」が、目指すべき福知山の姿であり、「全国から集まる福知山公立大学の学生が、どれだけ福知山に残ってくれるかも課題」とする。「経営者が努力し、学生から評価される魅力ある会社作りをしていかなければならない。商工会議所は、そのための支援に努めたい」と語った。

写真=抱負を語る塩見新会頭

塩見氏のプロフィル

 南陵中学校、福知山高校を卒業後、関西学院大学に進学。京都市の会社などを経て、実家が営む食品卸販売、中庄本店で営業職として勤務。04年、9代目社長に就任した。

 趣味はゴルフと読書。任期は2022年10月末までの3年間。

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