絢爛豪華な芸北石見神楽の世界 鬼博物館で特別展
2019年10月28日 のニュース
京都府福知山市大江町佛性寺(大江山)、日本の鬼の交流博物館(塩見行雄館長)で、広島県の郷土芸能「芸北石見神楽」の面と衣装を展示する秋季特別展が開かれている。神楽で実際に使っているきらびやかな衣装が並んでいる。12月1日まで。
芸北石見神楽は、古くから島根県西部(石見地方)で行われていた石見神楽が江戸時代終わりごろに広島県北西部(安芸地方北部)に伝わったもの。現在では「広島神楽」として、県を代表する郷土芸能になっている。
特別展では北広島町の神楽団が、鬼の酒呑童子が登場する演目「大江山」などで使用している衣装3点や神楽面8点など計35点が並ぶ。
衣装は姫、神、鬼役が着る舞衣で、金糸、銀糸を使い、龍や鯉などの刺繍が施され、絢爛豪華な仕立て。神楽面は酒呑童子やその手下、姫らが付ける面で、和紙や馬の尾の毛でできている。
このほか神楽で演者が手に持つ道具「採物」のまさかりや瓢箪、なぎなた、御幣も展示。神楽「大江山」の上演を撮った写真や須佐之男命が出る演目「八岐大蛇」を描いた屏風もある。
塩見館長は「芸北石見神楽は本来、神に奉納するものだったが、今では大衆に見せる芸能に発展している。きらびやかな衣装や面を間近で見てもらい、神楽の価値や歴史を感じてほしい」と来館を呼びかけている。
開館時間は午前9時から午後5時まで。月曜休館(祝日の場合は翌日)。
写真=衣装は「大江山」で姫役らが着る舞衣3点が並ぶ