日本の漆の美を世界に 京都・建仁寺で作品展
2019年10月23日 のニュース

丹波漆の産地復活に協力している作家、団体による「丹波のうるし作品展」が、京都市と福知山市で開かれる。京都府主催。先行開催の京都市会場は25日から27日まで、国内外の観光客が多数訪れる臨済宗建仁寺塔頭「禅居庵」(東山区)で。
府無形民俗文化財に指定される採取方法「丹波の漆掻き」を守り伝え、漆の木の植栽に力を入れている福知山市のNPO法人丹波漆が、府の「森の文化発信」事業委託を受けて企画した。
植栽活動にかかわっている作家15人と、府仏具協同組合青年会、京都漆器青年会が、日本の漆の美を伝える作品計約50点を出展する。福知山ゆかりの明智光秀を主人公にした大河ドラマ「麒麟がくる」放映を来年に控え、家紋の桔梗をあしらった文箱や革を使ったオブジェ、伝統的な拭き漆による丸盆、漆塗りの眼鏡フレームなどが並ぶ。
また今回は特別企画として「漆の木を使っ展」を同時開催する。漆を採取した後に伐採する漆の木を活用して、約10人の作家が新しい作品を生み出した。
鮮やかな黄色の木地に、木目がクッキリとしていて、柔らかく軽い特徴を生かしアクセサリーやエスプレッソカップなどに挑戦している。
会場では漆掻き職人が漆掻きや展示作品の解説をする。
■11月には夜久野で■
京都市会場に続き、11月1日から10日まで、丹波漆の地元、福知山市夜久野町で開かれる。夜久野高原・道の駅農匠の郷内、市やくの木と漆の館で、午前10時から午後5時まで。水曜休館。見学無料。京都展、福知山展ともに問い合わせは木と漆の館、電話(38)9226。
写真=特別企画として、漆の木で作った皿なども展示する