特殊詐欺に“だまされ米” 駐在さん4人が田植えして用意、祭りで配布
2019年10月18日 のニュース
お年寄りらを狙う特殊詐欺被害を防止しようと、京都府福知山市大江町内の福知山署4駐在所員が、27日の大江山酒呑童子祭りで、「特殊詐欺にだまされ米」と名付けた新米を来場者に配る。米は4人の駐在所員が同町毛原の棚田に植えたコシヒカリ。地元の大江高校生がデザインしたラベルを貼った小袋に入れて配り、啓発する。
全国的に振り込め詐欺などの特殊詐欺が後を絶たず、福知山市内でも被害が出ていて、今後も増える恐れがあるため、大江駐在所の平慎太郎警部補(35)▽内宮駐在所の鈴木大樹巡査(35)▽南有路駐在所の松田淳史巡査部長(37)▽公庄駐在所の山崎陽平巡査部長(30)が取り組みを計画。大江町産米を使おうと、5月に毛原であった田植え体験会に参加し、コシヒカリの苗を植えた。
稲刈りは4人とも敬老会などに出席したため、参加することができなかったが、収穫された米30キロを後日提供してもらった。
米を入れたナイロン袋に貼るラベルの制作は大江高校に依頼。ビジネス科学科の2年生が3種類のラベルを作った。ラベルは「電話で現金 それは詐欺」の福知山署標語や電話、犯人、お年寄りの絵などがデザインされている。どれも啓発にふさわしく、3種類とも使うことに決めた。
15日には南有路児童館で、4人とその家族が集まり、米の袋詰めに励んだ。作業を分担し、米を1合ずつ詰め、全部で約200袋を作ることができた。
平警部補は「巡回訪問で、特殊詐欺に遭わないように啓発していますが、それだけではなかなか伝わらないので、広く知らせることが必要と思い、だまされ米の取り組みを企画しました。当日は多くの人に配り、しっかりと呼びかけたい」と話している。
写真上=「特殊詐欺だまされ米」を手にする4人
写真下=米の袋詰めは家族も集まり、約200袋を作った