少しやせてしょんぼり ミワちゃん9日ぶりに戻る
2019年07月08日 のニュース
京都府福知山市猪崎、三段池公園の市動物園から脱走していたニホンザルのミワ(雄、9歳)が7日、園から2・5キロほど離れた川北の畑で見つかり、9日ぶりに園に無事戻ってきた。少しやせていて、しょんぼりした様子ではあるものの、健康上の問題はなく、園の関係者らはほっとしている。二本松俊邦園長は「ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。多くの目撃情報をいただき、みなさんからミワが愛されていることを再確認できました。本当にありがとうございました」と感謝している。
イノシシのウリボウにまたがり、ロデオ姿で人気者になったミワ。ウリボウと一緒に暮らす飼育小屋の鉄柵を壊して脱走し、6月28日の朝から行方不明になっていた。園はこの日から休園し、園や市職員らが連日捜索にあたっていた。
「早く戻ってきてほしい」。二本松園長らの願いもむなしく、脱走から1週間以上が経過。ミワは幼いころから園で育てられたため、自分で餌をとったことがなく、体力面が心配されていた。
そんな中での吉報だった。川北の農業、松山忠男さん(78)が7日朝、所有する畑近くでサルを発見。1匹でいたことから、直感的にミワだと感じ、福知山署に連絡。市にも警察を通して情報が入り、二本松園長と市職員が急行したが、姿は確認できなかった。
このため、目撃場所近くに好物のバナナ、パンを入れた檻を設置し、ひとまずその場を離れた。約2時間後の午後0時45分ごろ、「檻にサルがかかった」との情報があり、二本松園長らが現場へ駆けつけた。
■動物園再開を検討■
二本松園長は、檻に入ったサルの特徴からミワだと確信していたが、園に運んだあと体に埋め込まれたマイクロチップでも確認したところ、認証番号が一致。間違いなくミワだと分かり、園の職員らから「良かった」と歓声が上がった。
ミワの様子について、「とてもおとなしい。反省しているみたい」と優しいまなざしの二本松園長。食欲は旺盛で、8日朝もバナナやトマト、ブドウなどをモリモリ食べ、体調の心配はなさそう。ミワが戻ったことで、動物園の再開に向けて検討を始めている。
園では、ミワが鉄柵を壊して脱走したことから、全ての檻を点検するなどした。ミワとウリボウの飼育小屋も補強し、当面は一緒に暮らすが、今後はミワを別の小屋に移動させることも含め、検討するという。
休園を知らずに、娘の市華ちゃん(5)と7日に園を訪れた足立幸恵さん(34)=西羽合=は「ミワちゃんが逃げたことは知っていて、子どもたちも『ミワちゃんを探そう』と言っていたほど、心配していました。本当に無事に帰ってきてよかった」と喜んでいた。
写真=二本松園長になでられ、気持ちよさそうに目を閉じるミワ(7日午後3時30分ごろ)