催眠術にかかったよう 特殊詐欺手口と体験紹介
2019年06月15日 のニュース
京都府福知山市の和久寺自治会(清水恭二会長)と和久寺公民館(森川藏館長)は13日、同公民館で住民を対象に、特殊詐欺被害防止の出前講座を開いた。福知山署員による解説や過去に特殊詐欺の予兆電話を受けた住民のリアルな体験談があり、参加者が耳を傾けた。
同自治会と公民館は昨年から、明るく元気な住みよい地域づくりをコンセプトに事業を展開しており、講座はその一環。身近な問題をテーマに開いている。
今回は福知山署生活安全課生活安全係長の畑賢治警部補を講師に招いた。畑警部補は「今年は5月末までに市内で3件の特殊詐欺被害があり、すでに昨年を上回る1073万円の被害が出ています」と説明。
友人の息子や、息子をかたったオレオレ詐欺、遺産相続名目の架空請求といった実際の手口、録音機能付きの固定電話機が不審な電話への対策になることなどを紹介し、「不審電話があれば、すぐに警察に相談して下さい。そうすることで、他の人が被害に遭うことを防ぐことにもつながります」と伝えた。
後半では、同地区の浄土真宗本願寺派・願成寺の佐々木善数住職が体験を話した。1年ほど前に還付金名目の特殊詐欺予兆電話にだまされそうになったという。「相手が地元のスーパー、現金自動預払機(ATM)の場所を把握したりしていて、途中までおかしいと思わず、ATMの操作を言われるままにしていました」と紹介。
途中で自分が相手への振り込み手続きをしていることに気づいて操作を中断し、金融機関や警察へ相談したと伝え、「催眠術にかかったような状態です。どんなことがあるか分かりません、みなさんも気を付けて」と注意を呼びかけた。
写真=地域住民らが特殊詐欺の出前講座を聴いた