パンやラーメンに適した小麦「せときらら」 京都府産を一斉切り替え
2019年06月07日 のニュース
京都府内の小麦農家は、昨シーズンからパンやラーメンに加工しやすい「せときらら」という品種に一斉に切り替えて栽培している。この小麦が育つ福知山市大江町河守の農地で4日、視察会(JA全農京都、府農産課主催)があった。「せときらら」を材料に使う京都市内などのパン店、ラーメン店の店主らが参加し、生育状況を確かめるとともに、栽培農家らと情報交換をした。
府内の小麦農家は、これまで全国で広く使われている「農林61号」という品種を中心に栽培していたが、パンなどが作りにくかったため、府は府内で需要が多いラーメン、パンへの加工に適した「せときらら」を府内産小麦に推奨した。
視察会には、この小麦を使う京都や福知山市内の店主、栽培農家ら約70人が参加。大江町の農事組合法人鬼の里農園が手掛ける河守の2カ所のほ場を見学した。
最初に府中丹西農業改良普及センターの職員が、通常の小麦と比べ背丈が低く、穂が大きい特徴を紹介。成熟が早く梅雨時期を避けて収穫できる利点も話した。店主らはほ場内にも入り、小麦の出来をじっくりと見た。
このあと近くの大江町総合会館で意見交換会。店主らは「せときらら」は使いやすく、ラーメンなどを食べた客にも好評だと伝え、「今後もどんどん使っていきたい」と述べた。
「せときらら」を使って作った3種類のパンが出席者に配られ、味見した農家は「たいへんおいしい」と感想を話していた。
写真=大江の農地であった視察会