初の耐雪ブレーキ採用 丹鉄に赤鬼モチーフの新造車両
2019年05月18日 のニュース
京都丹後鉄道(丹鉄)に23年ぶりとなる新型車両「KTR300形」が導入され、18日に福知山駅で出発式があった。鳶赤色の鮮やかな車体に、つり目型のヘッドライトで、大江山に住んでいた赤鬼をイメージしている。
新造のKTR300形は、丹鉄の車両保有会社の第三セクター北近畿タンゴ鉄道(KTR)が1億7600万円(1両)で購入。国が半分を負担し、残りを府や兵庫県、沿線5市2町で分担した。
KTRの前身、宮福鉄道が88年の開業時に導入した「MF100形」「MF200形」の後継車両で、全長18・5メートル、定員105人。2022年度までに5両を導入する計画。
福知山-宮津間を結び大江山を抜ける宮福線だけでなく、日本海沿いを通る宮豊、宮舞線も走るため、太さが違う3本の帯をグラデーション状に配して丹後の海のさざ波と山々に漂う朝霧を表現した。
安全性の確保を重視。積雪時の対策として丹鉄車両で初めて耐雪ブレーキを採用し、運転士の視認性を向上させるために前面にLEDヘッドライトとフォグランプを2基ずつ付けた。
車内には、通勤、通学などでの利用者のためスマートフォンを充電できるUSBポートを備え、車いすでも利用できる広い多機能トイレを設けた。
出発式には丹鉄の運行会社、ウイラートレインズの寒竹聖一社長や井野則明・国交省近畿運輸局鉄道部長、舟木浩・府副知事、京都丹後鉄道利用促進協議会長の城崎雅文・宮津市長、大橋一夫市長らが出席。寒竹社長が「安全、安心、快適の3拍子がそろった新型車両を導入できた。人と人のふれあいも大切にし、地域の方々に、より愛される鉄道をめざしたい」とあいさつ。来賓祝辞などに続いてテープカットをし、一般利用者が乗車して大江高校吹奏楽部の演奏に合わせ、宮津へ向けて営業運転をスタートした。
当面は宮福線で一日10便(うち1便は宮舞線も)走らせる。
写真=赤鬼をイメージした新型車両。左後方に見えるのはMF100形車両