トマト栽培のフランチャイズ開始 規模拡大と災害リスク軽減に
2019年05月07日 のニュース
京都府福知山市六十内で独自のトマトづくりに夫婦で励む「小林ふぁ~む」(小林加奈子社長)が、今春からフランチャイズ事業(FC)を始めた。昨年、大雨や台風で被災し、トマトがほとんど収穫できなかった経験から、ともにトマトづくりをする契約農家を募集。福知山や与謝野の人ら6軒が取り組んでいる。
加奈子さん(51)と夫の伸輔さん(55)の畑では、主にトマトを育てている。六十内に住んでいた加奈子さんの祖母の味をめざし、無農薬・無化学肥料で手塩にかけて育て、完熟で収穫し、もぎたてを直送する「かなこ農法」で栽培している。そのままの味わいを楽しめる「とまとのじゅ~す」は京都市内の百貨店で販売し、人気を集める。昨年度は京都府の女性起業家賞で近畿経済産業局長賞にも選ばれた。
フランチャイズ事業は、規模の拡大や災害のリスクを避けることを目的に取り組むことにした。契約農家は在宅でできるため、子育てや介護をする人らも対象としている。
生産にかかる期間は、5月から8月末ごろまで。小林ふぁ~むでは作り方を説明し、肥料やミネラル、苗の提供、生産サポートなどをきめ細やかに行う。契約農家はハウスを持っていることが必須で、かなこ農法で土づくりから収穫までを手掛けることになる。
農家の奥田俊輔さん(44)=半田=は、ハウス1棟で栽培する。普段は桃や万願寺甘とう、黒大豆枝豆の紫ずきんなどを育てており、トマトは初挑戦。小林さん夫婦から肥料を受け取り、「話を聞いてみてやってみることにしました。良いトマトが育つように頑張りたい」と話していた。
小林さん夫婦は「楽しく育ててもらうことが一番。ふぁ~むの生産と合わせて計10トン分実ってくれるとうれしい」と笑顔を見せていた。
契約農家の生産目標は計5トン。ほぼ「とまとのじゅ~す」に使う予定にしている。今年の契約農家の募集は終了しているが、すでに来年に向けての問い合わせもあるという。
詳しい問い合わせは、夕方以降に電話0773(21)5810の小林ふぁ~むへ。つながりにくい場合はファクス(同番号)でも受け付ける。
写真=小林社長(左)から肥料を受け取る奥田さん