安産の神様大原神社にNZ助産師会の元会長 日本のお産文化知る
2019年04月24日 のニュース

安産祈願の参拝者が絶えない京都府福知山市三和町大原の大原神社(林秀俊宮司)に、ニュージーランド助産師会の元会長で昨年まで事務局長を務めていた助産師、カレン・ギリランドさん(69)が訪れた。かつて地域の女性らが出産をしていた「産屋」などを視察し、日本のお産の文化に触れた。
周辺には府指定有形民俗文化財の産屋(うぶや)が現存。信仰の対象にもなっている。
このことを知る林宮司の知人の助産師、松浦照子さん(山梨県北杜市)が、京都市の佛教大学などへ講演に訪れていたカレンさんに神社を紹介し、訪問が実現した。
カレンさんは、妊娠から産後6週間まで助産師が女性に付き添う助産ケアシステムを提唱し、ニュージーランドで制度化した1人。妊娠した女性らが、安心して出産などが出来る仕組みづくりに尽力してきた。
大原神社へは22日に、カレンさんと夫、松浦さんのほか、佛教大学の日隈ふみ子教授、日本妊産婦支援協議会リンゴの木の古宇田千恵子代表が訪れた。
初めに、本殿で林宮司から神社の歴史、安産祈願について説明を受け、林宮司が集めた古いほ乳瓶など、江戸時代から明治時代にかけての出産に関わる資料を見た。
続いて産屋へ移動し、ここで妊婦が七日七晩を過ごして出産をしたこと、産後しばらくは家事や農作業から離れ、夫、子どもと3人で気兼ねなく過ごしたことなどを聴いた。
カレンさんは「産屋は女性が安心して産める効果があったと思う。他の資料も含め、日本のお産文化の歴史を知って感動しました」と話していた。
写真=林宮司とともに産屋をのぞき込むカレンさん(右)