特別大使に光秀の子孫 ゆかりの地福知山をPR

2019年02月13日 のニュース

 戦国武将の明智光秀を主人公とした大河ドラマの放送を来年に控え、ゆかりの地の京都府福知山市は12日、光秀の子孫とされ、ラジオDJなどで活躍するクリス・ペプラーさん(61)=東京都=を、特別大使に任命した。クリスさんは「(市民の期待を)裏切らないよう、SNSなどでの広報活動を通し、福知山に貢献したい」と話している。

 本能寺の変で主君の織田信長を討ったことから、全国的に「謀反者」「裏切り者」のイメージが強い光秀。その一方で福知山では、西国攻略に向けた拠点として荒廃した河原に城下町を築き、税金を免除して由良川の治水に尽力するなど善政を敷き、名君として慕われている。

 また光秀が初代城主を務めた福知山城、光秀をまつる御霊神社などもある。大河ドラマの決定を受け、ゆかりの地として全国にPRしていこうと、市は官民での連携も図りながら、方策を練ってきた。

 特別大使の任命もその一つ。クリスさんは、東京を放送対象とするFMラジオ局、J-WAVEが開局すると同時に、ナビゲーターとして抜てきされ、30年間にわたってDJを務めている。日本のミュージックマスターとして知られ、タレント、ナレーターなどとして幅広く活躍している。

■テレビ番組で検証し、光秀の子孫と結論■

 米国人の父、日本人の母のもとに生まれたクリスさんは、幼少期には母方の祖母から、光秀の末裔だと、よく聞かされていたという。

 16年にテレビ番組で検証され、祖母が光秀の血筋と同じ土岐という名字だったこと、祖母の墓石に桔梗紋が入っていたこと、クリスさんの家系などから、「直系の子孫にあたるのでは」と結論付けられた。

 子孫とされたことに注目し、各方面で活躍するクリスさんの発信力にも期待して、福知山市は特別大使に任命することを決め、クリスさん側も快諾。福知山城で記者会見が行われ、大橋一夫市長が委嘱状を手渡した。

 クリスさんは「祖母から、光秀は非常に賢い武将だったと聞かされてきました。また福知山城や御霊神社を実際に訪れ、地域に愛されてきた武将だったことも知りました。特別大使として、これから頑張りたい」と意気込みを語った。

 大橋市長も「福知山には光秀の知られざる姿を伝える史跡、史料、伝承といった『本物』がたくさん存在します。ペプラーさんならではの視点や感性で、全国に知られていない福知山と光秀の魅力を発信いただき、たくさんの人にお越しいただければ」と期待していた。

■光秀が築いた福知山プロジェクトが始動■

 またこの日は、「明智光秀が築いた城下町福知山」をキャッチコピーとし、来年に向けたプロジェクトを始動させることも発表。目玉企画として、大河ドラマ館「福知山光秀ミュージアム(仮称)」を、市佐藤太清記念美術館2階に開設する方針を示した。

 概要は、官民で組織する福知山光秀プロジェクト推進協議会の福島慶太実行委員長が説明。大河ドラマ「麒麟がくる」の関連資料のほか、福知山と光秀に関する歴史資料を展示するといい、開設期間は20年1月から約1年間。10万人の来館を想定しているという。

 市と推進協議会では、ほかにも多くの取り組みを予定しており、今春以降に発表することにしている。

写真上=福知山城でクリスさん(右)に大橋市長から委嘱状が手渡された

写真下=天守閣から風景を眺めるクリスさん

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