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両丹日日新聞2019年1月23日のニュース

サケの仔魚が次々ふ化 3月に由良川へ放流

サケの仔魚 京都府福知山市、舞鶴市、綾部市を中心にした学校や公共施設、一般家庭が、サケの卵を愛情込めて育てている。有志で組織する「由良川サケ環境保全実行委員会」が協力者を募り、5日から卵を配布、すでにふ化して仔魚(しぎょ)になっているところが多い。今季は前年を上回る240カ所以上で、小さな命を見守っている。3月に由良川に放流する予定。

 サケは、生まれた古里の川へ産卵のために回帰する習性がある。実行委では由良川への環境意識を高め、郷土愛を育んでもらおうと、府の交付金を受けて2008年度以降、地域住民が自分たちでサケを育てて由良川に放流し、遡上させる“サケの一生を学ぶ”取り組みを続けている。

 卵は、そ上したサケから取った卵を授精させたほか、新潟県から取り寄せて確保。産卵後1カ月余り過ぎて卵の中に黒い目が見える状態の発眼卵を希望者に渡した。

 福知山市三段池公園内の市児童科学館(辻本勝館長)では5日から、1階の福知山広場に約200個の卵を入れた水槽を置いてる。飼育を始めて約1週間後の14日までにすべてがふ化し、現在は体長2センチ余りの仔魚が水槽のなかでうごめいている。
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 発眼卵やふ化したばかりの仔魚は、直射日光などに含まれる紫外線を嫌うため、水槽に段ボールの覆いをかぶせて光を遮っていたが、今は取りはずしていて、来館者が観察できる。

 仔魚の腹には栄養分を持つ「さいのう」と呼ぶ朱色の袋がある。これがなくなって泳ぎ始めるとエサを与え始める。放流するころには体長が4、5センチほどになるという。

 飼育を中心になって担当する同館職員で市自然科学協力員の永谷隆夫さんは「今年は、カルキ抜きをした水道水を使わず、由良川でくんできた川水を水槽に入れました。オホーツク海や北太平洋などを回遊して日本に戻ってくる親魚はわずかですが、すべての稚魚が放流まで元気に育つように世話を続けたい」と意気込む。

 実行委は「学校関係への卵の配布が年々増えており、飼育や観察をする人はかなり多いでしょう。サケが戻るきれいな由良川を守り、郷土愛を育てるために取り組みの輪を一層広げ、飼育先を500カ所にしたい」としている。


写真=腹にさいのうを付けたサケの仔魚
写真=仔魚がうごめく水槽を観察する永谷さん

    

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