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両丹日日新聞2019年1月 2日のニュース

福知山に鉄道開通120年 広大な電車区を「探検」(下)

交番検査 京都府福知山市は「鉄道のまち」と呼ばれている。福知山の鉄道の歴史は、1899年(明治32年)に日本国有鉄道の前身で民営の阪鶴鉄道が大阪-福知山南口(後に廃止)に開通させて始まった。それから今年で120年。安全輸送を支える広大な福知山電車区を訪ねた。

■電車の隅々まで入念に調べる■

 JR福知山支社の鶴岡さんと森本さんの2人に、電車区内に出入りする電車のダイヤを入念に調べて案内してもらった。

 区内の線路を横断する場合、それぞれ手前でいったん止まって、「右よし、左よし」と「指差喚呼」を忘れない。安全確認などの目的で指を差し、必ず声も出す。留置線の何本もの線路を横断したあと、車両検査修繕施設を設けた区域に着いた。

 車両検査修繕施設は仕業庫、交検庫、検修庫、事務所、転削庫などが並び、留置線とともに大きなスペースを占める。ここで働く人はグループ会社員も合わせて約100人。電車の安全運行のための検査や掃除をするところだ。
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 仕業庫では仕業検査を主にする。10日以内に1回実施。車外からパンタグラフや台車、ブレーキなどを点検し、さらに、ブレーキをかけるために車輪そばに付いた部品やパンタグラフの一番上に付いた架線に接するスリ板、室内蛍光灯などの消耗品の交換をする。

 交検庫では、交番検査を90日以内に1回実施。車両の各機器のカバーなどを外して、内部の状態や動作確認までする。さらに、車輪がレールに接する部分を見て、基準以上の凹凸がある場合は乗り心地などに影響するため、新転削庫内の在姿車輪旋盤という機械で、正規の状態に削って滑らかにする。車輪は10回ほど削ると、新品に交換するという。
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 検修庫では、車両を引き込んで車輪、クーラー、パンタグラフなど大型機器を臨時で修繕し、必要に応じて交換をする。

 このほか、自動車でいう車検のような詳しい検査の重要部検査と全般検査があるが、機器の分解検査や修繕のため、専用設備が必要。福知山電車区内にはなく、大阪の吹田総合車両所まで電車を回送で走らせて実施する。

 清潔で快適な車両にと清掃は欠かせない。折り返しごとの掃除や数日ごとの日常掃除のほか、線路に設置された洗浄装置で車両の汚れを洗い落とすこともある。1、2カ月に1度は、車両の隅々まで徹底して汚れを取り除く。

■不具合検知する状態監視装置■
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 電車区入り口に昨夏、「車両状態監視装置」が設置された。線路などに設置した高解像度カメラやセンサーで、通過する電車の不具合を自動検知する。今までの作業員による検査が装置化されることで、安全性の向上や省力化が図られ、さらに測定頻度が増えることで不具合の未然防止や乗り心地の改善につながる。

 現在は試験段階で、今後、データを蓄積して装置の精度について分析を進めたうえで運用されるという。

 05年春の福知山線尼崎脱線事故の教訓を踏まえ、福知山支社では電車区内の実設訓練センターで、鉄道事故対応合同訓練を続けている。昨年までに12回実施した。このほかにも訓練がある。


写真=交番検査中の113系電車
写真=パンタグラフの検査
写真=車輪に凹凸がないかなどを点検
写真=電車の不具合を検知する車両状態監視装置

    

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