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両丹日日新聞2018年1月 8日のニュース

大地震のネパールで小学校再建 夜久野の小野田さん

再建校舎と小野田さん 2015年春に発生し多くの犠牲者が出たネパール大震災の被災地で、京都府福知山市夜久野町西垣の寺院研究員、小野田豪介さん(48)らが、復興支援活動を続けている。現在活動するのは、同国東部の山間部の斜面を切り開いた小さな村。小学校が崩壊して困っていた村のために、耐震性が高い校舎を新築した。

 ネパールはヒマラヤ山脈のふもとにある貧しい国。先進国の援助があるものの、人口増加に伴って食糧危機が続く。山間部では雨季になると道路が寸断される場所が多い。これに追い打ちをかけるように15年4月、マグニチュード7・8の巨大地震が襲い、総人口の3割に当たる約800万人が被災、9千人が亡くなった。

 日本最古の黒招き猫伝説がある浄土宗寺院、檀王法林寺=京都市左京区=で研究員を務める小野田さんは、釈迦の生誕地と伝わるネパールに以前から関心が強く、惨状を知っていたたまれず、震災から4カ月後に現地へ出発。親交のあるNPO法人ドージバ副代表理事の神澤則生さん(51)=千葉県神崎町=らと被災地で、がれき撤去や仮設学校の整備などを続けてきた。

 その中の一つが、知人の母親の古里、ヒマラヤ山中の標高2千メートルにあるプルピンカティ村。初めて訪問した時は、ふもとの村からの交通機関がないため標高差約600メートルの山道を約3時間かけて歩いて、たどり着いた。

 人口約3千人と推定される村の家屋は石を積んで漆喰で固めた簡素な建物で、大半が全壊や半壊していた。村で唯一の学校のパンチカンヤ小学校も壁が崩れ屋根だけが残っている状態。全校児童約90人のうち、震災で16人が犠牲になった事実を知らされ、小野田さんはショックを受けた。

 「子どもたちの未来につながる活動をするためにも、現地の人が第一に望む学校再建をしよう」と決意。トタンで周囲を囲って風雨に耐えられる仮設校舎の建設を計画した。募金活動を始めると、京都の宗派を超えた仏教親睦団体、仏教クラブや夜久野町内の有志から寄付が寄せられたおかげで、簡易なものではなく2クラスが入れる耐震補強のしっかりした校舎を新築することができると分かり、計画を変更した。

 昨年2月初旬に着工し、完成するまでに約9カ月を費やした。耐震のために、基礎を造ったあと、今までなかった鉄骨の柱を建て、倍の厚さのコンクリート製の壁を築いた。苦労も多かった。全国的に復興工事が進み資材が高騰したため、窓枠など崩壊した校舎のものも、なるべく再利用した。資材を人力で運ぶことも多く、雨季で作業の中断を余儀なくされる時期もあった。それでも、ノート代わりに地面に小石を並べて学ぶ子どもたちの姿を見ながら作業する村人たちは結束し、一日でも早い再建をと踏ん張った。

■ヒマラヤの空をイメージした青い壁■

 小野田さんらが現地入りしたのは1年間で通算約2カ月に及ぶ。昨年10月初旬の校舎新築お祝いセレモニーで、子どもたちに文具や古着、撮りためた写真を入れたアルバムを贈った。10月下旬には校舎開校式を行い、小野田さんが代表でテープカット。真新しい校舎に児童や村人たちの笑顔が弾けた。
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 ヒマラヤの空をイメージした青い新校舎にウメッシュ・ボスネット校長(31)は感激。「親愛なる日本のみなさまへ」として「学校は子どもたちの学びの場だけでなく、社会においても重要な場所。あなたたちの支援なくしてこのような立派な校舎の再建はできなかった。感謝しています」とメッセージを寄せた。

 小野田さんの復興支援活動は「心と心をつなぐ支援」が理念。「はちみつを売って生計を立てている家庭が多く、その手伝いでほとんど登校できない子もいる。でも、現地の人たちと力を合わせて校舎再建を無事に終え、喜び合えたことは感慨深い」と語る。

 住民たちの強い引き留めもあり、当分はこの村と関わることを決めた。「『あなたたちが来てくれると、子どもだけでなく、みんなが幸せになれる』との言葉を頂き、日本との交流の仕組みをつくっていかなければいけないと考えています」と使命感に燃える。

 村に溶け込み「ゴースケ」と親しまれる小野田さん。「宅地提供の話を頂いており、ここに村の人々が集える施設を建て、末永く交流を続けたい」と早くも次の計画を温めている。

 小野田さんの支援と交流活動は、健康である限りピリオドはない。日本とネパールを行き来する生活が続いており、次回は2月に訪問するという。


写真上=耐震性を高めた再建校舎の前に並ぶ小野田さん(左)と児童たち
写真下=建設現場に資材を運ぶ現地の女性たち

    

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