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両丹日日新聞2017年12月13日のニュース

50年続いた移動販売車「ひまわり号」が終了

移動販売車「ひまわり号」 長年にわたり、京都府福知山市内の山間部などに住むお年寄りたちのために、生鮮食品などを提供してきた移動販売車「ひまわり号」が、20日で営業を終える。和久市町の大松漬物株式会社=松田寛志社長=が運営し、商品と一緒に心温まる触れ合いも届けており、利用者の多くが「寂しくなる」「買い物が不便になる」と嘆く。

■農協から引き継ぎ山間部回る■

 ひまわり号は、もともと西中筋村農協が1963年ごろに始めたもので、66年からは福知山市農協が行っていた。ピーク時にはバス4台で山間部を回り、買い物で困っている人たちに様々な商品を届けてきた。

 2002年には、市農協と京都南丹農協の合併があり、支店の統廃合や事業整理などの影響で、ひまわり号を手放すことに。農協に漬物を納入していた大松漬物に依頼があり、「山間部の人たちのために力になりたい」と、同年3月に1台の中型マイクロバスと運転手を引き継いだ。

 05年からは2台態勢となり、生鮮食品や生活用品など約300点を積み、月曜日から土曜日まで、夜久野町や大江町、上六人部、雲原地区など約100カ所を回った。

 14年には1台が水害の影響で廃車になり、そこからは1台で営業を続け、引き継いでから今年で16年目を迎えた。農協時代からだと50年以上になる息の長い取り組みだったが、経済環境の変化や車両の老朽化のため運行が困難になり、営業終了を決断した。

 利用者の80歳代の女性=奥榎原=は「車の運転ができないので、もう50年くらい利用しています。運転手さんとの会話も楽しみで、別の地域にいる兄妹のことを教えてもらったりもしました。バスが来ると音楽が流れるので、それを楽しみにしていましたが、寂しいの一言です」と肩を落とす。

 5年ほど前からは、松田社長(69)が自ら運転手を務め、地域を回っている。「おばあちゃんの相談に乗ることもあるし、買い物はしないけれど話をしにきたという方もおられた」と振り返る。「営業終了は急なお知らせで、お客さんに申し訳ありません。長年利用いただいたみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです」と話す。


写真=商品を手渡す松田社長(左)と利用者ら

    

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