JR西日本福知山支社は、社員らが労災や事故の怖さを学べる施設「安全体感道場」を京都府福知山市東岡町の資材センター2階に整備し、このほど開所式をした。同社やグループ会社の新入社員教育、定期研修などで使用する。こうした施設は、JR西日本では4カ所目となる。
同社は、2005年4月に尼崎市で起きた福知山線列車脱線事故のような悲惨な事故を二度と起こさないという決意で、乗客、社員双方の安全向上に努めており、その一環として開設した。
式には約70人が参加。初めに、9月に福知山電車区構内で作業中に死亡した協力会社の従業員、列車事故で亡くなった人に全員で黙とうを捧げ、安全憲章を唱えた。
田中達也支社長はあいさつで、「過去の事故の教訓、身近な労災について学び、日々の業務にどう生かすかを考える場だと思う。安全な鉄道づくりの礎にしてほしい」と述べた。
安全道場は面積が約400平方メートルあり、体感と視聴の2ゾーンに分かれている。体感ゾーンは8つのコーナーがあり、103系電車車内の乗務員室出入り口ドアで指をつめた場合の怖さを割りばしを使って実演し、割りばしが折れる力があることを示したり、金属製の足場に物が落ちていた場合などの滑り具合などを伝える。
視聴ゾーンは、同支社管内で起きたこれまでの列車事故、JR西日本管内で発生した労災事故の事例と対処方法などのパネルを並べている。ほかに、福知山線列車脱線事故などについてのDVD上映コーナーもある。
開所式に参加した福知山運転所指導助役の熊田善文さん(42)は「実際に体感することで、何が危険なのかが具体的に分かります。後輩の育成などにも活用していきたい」と話していた。
労災について学びたいという一般の団体、企業の受け入れについても検討している。
写真=金属製の足場で滑り具合を体感した
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