福知山、舞鶴、綾部3市で栽培されている京のブランド産品「万願寺甘とう」が23日、農林水産省の「地理的表示保護制度」(GI)に京都府で初めて登録された。野菜としては近畿初。登録生産団体は全国農業協同組合連合会で、JA全農のGI登録も、これが初めて。
地域で長年培われた生産方法や気候、風土、土壌などの生産地特性で高い品質と評価を獲得した産品の名称(地理的表示)を、知的財産として保護する制度。これからは基準を満たす生産者だけが「万願寺甘とう」の名前を使うことができ、不正使用は国が取り締まる。
兵庫県の「神戸ビーフ」や奈良県の「三輪素麺」などが既に登録されており、今回、万願寺のほか静岡県の「田子の浦しらす」、茨城県の「飯沼栗」が同時登録され、計38件になった。
万願寺甘とうは大正時代の末期に舞鶴市の万願寺地区で栽培が始まったとされる大型のトウガラシ。肉厚で食べ応えがあり、やわらかい果肉で甘みと独特の風味が評判。京都市場を中心に、一部は大阪、東京市場にも出荷されている。
全国では万願寺とうがらしの名で流通している他産地の大型トウガラシもあるが、東京都中央卸売市場大田市場・東京青果でのここ5年間の実績では、万願寺甘とうは他産地ものより価格が1.9倍高く取り引きされてきた。シェアは96%に及び、圧倒的な人気がある。
今年はJA京都にのくに管内の422人が約16・8ヘクタールで栽培。このうち福知山市では165人が栽培。5月中旬から収穫が始まった。出荷は例年11月中頃まで続く。
写真=大ぶりながら果肉がやわらかい「万願寺甘とう」(JA京都にのくに彩菜館福知山店で)
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