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両丹日日新聞2017年6月20日のニュース

創業113年の銭湯残したい−ファンが浴室でペンキ塗り

浴室で作業に取り組む人ら 1904年(明治37年)に創業し、設備の老朽化が進み、存続が危ぶまれる京都府福知山市長町の銭湯「櫻湯」で18日、市内外の銭湯ファンら20人が、存続への願いを込めて浴室のペンキ塗りに取り組んだ。

 櫻湯は創業から113年。明治時代にはやった洋館風の外観で、井川精一さん(71)が姉とともに運営している。家庭に風呂がないことが当たり前だった時代には、人々の生活の一部として地域を支えてきた。

 櫻湯をはじめ、銭湯をよく利用する「関西のレトロ銭湯」の著者、松本康治さん=神戸市=によると、櫻湯は浴槽のなかに腰かける段がある大阪の様式を取り入れた形式で、ほかにも状態の良い柳こうりの脱衣カゴなど、ファンにはたまらない特徴がたくさんあるという。

 井川さんは「かつては家族連れらでにぎわいましたが、時代とともに客が減ってきました。何とか続けてほしいという声をいただいて頑張っていますが、体力的にもきつく、ボイラーや配管の状態も悪いため、設備が使えなくなったらおしまいです」と話す。

 こうした現状を知った松本さんは「地元の人たちにも知ってもらい、存続につなげられる取り組みはないか」と考えていて、たまたま立ち寄った下新町のカフェ、まぃまぃ堂店主、横川知子さんに相談。横川さんを通じて、同じく櫻湯に通う福知山公立大学の谷口知弘教授、舞鶴市で大工をする徳永啓二さん、市内の銭湯好きの田中友志さんと知り合った。

 5人は「チーム櫻湯」を結成。何かできることはないかと考え、劣化が目立った浴室のペンキを塗り直すことを企画した。5月20日に井川さんの承諾を得て、チームがフェイスブックでボランティアを募るなどし、準備を進めてきた。

 今回の作業には、銭湯ファン以外にも櫻湯の窮状を知った市民らが駆け付け、手分けして古いペンキをはがしてから、新しい草色のペンキを丁寧に塗った。

 松本さんは「お湯を沸かしている限り、きれいであってほしいと思います。この活動が櫻湯の存続につながればうれしい」と話していた。


写真=浴室で作業に取り組む人ら

    

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