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両丹日日新聞2017年6月 6日のニュース

丹波の漆掻き始まる 府無形文化財

丹波の漆掻き 京都府無形民俗文化財に指定される丹波の漆掻きが6日朝、福知山市夜久野町の山中で始まった。夏に盛りを迎え、9月末まで続く。

 漆を採取する漆掻きの技術を守り伝えているNPO法人丹波漆が、今年は額田の山で9本の木から採取する。

 専用の鎌、かんななどを携えて山に入り、最初の1本に手をつける前に、NPOの岡本嘉明理事長が山と木に菓子と清酒を供え、「今年も質の良い漆が取れますように」と頭を垂れた。

 岡本理事長と若手後継者の竹内耕祐さん、2年目となる吉川枝里香さんの3人で9本を採取していく。

 漆の産地は全国でもごく少なく、夜久野でもNPOで植樹を進め、木を増やしているものの、採取量は、まだわずか。それでも「昨年掻いた漆は芸術作品の創作や文化財の修復などに役立てられました」と岡本さん。「良い漆を取り続けることで、夜久野の漆文化を守っていきたい」と話していた。

■遺伝子研究にサンプル採取■

 漆採取の現場には京都府立大学の椎名隆教授らのチームが訪れ、サンプル採取を行った。府立大のACTR(地域貢献型特別研究)事業として、県立広島大学の菅裕准教授と漆の共同研究をする。

 椎名教授らは、漆掻きを進めるに従い採取できる量や質が変化していくのは発現遺伝子に変化が出るためだと見ている。そこで説を立証するため、山に液体窒素や専用容器を持ち込み、掻き始めの樹皮片を納めて持ち帰った。定期的にサンプル採取して遺伝子を比較することにしている。


写真=漆の木の周囲にやぐらを組んで、今年最初の鎌をあてた(6日午前8時40分ごろ、夜久野町額田の山中で)


    

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