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両丹日日新聞2016年12月28日のニュース

境内のイチョウ苦渋の伐採決断 夜久野の奥八幡神社

伐採されるイチョウ 京都府福知山市夜久野町奥自治会(衣川喜好自治会長、27世帯)が管理する地元の八幡神社境内にある樹齢100年のイチョウが伐採される。神社周辺で落ち葉に悩まされる世帯が多く、高齢化もあって手が回らず苦渋の決断だった。伐採した樹木を生かして京都美術工芸大学=南丹市=の学生が木像を彫り、祠を祭る建物の中に安置する方向で話が進んでいる。

 イチョウは氏子が植えたもので、樹高約9メートル、胸高直径約1メートル。神社のシンボル的な存在で、地元の人たちに長年親しまれていたが、周辺の田畑や民家に大量の落ち葉が飛び散るのが悩みの種だった。定期的に清掃作業を行うほか、業者に依頼して枝打ちをして対処していたが追いつかず、作業の費用もかさむため、4月初旬の自治会総会で伐採を決めた。

■京都美術工芸大の教材に活用■

 自治会役員会で、前自治会長で夜久野みらいまちづくり協議会長の衣川裕次さんが「伐採する樹木を、何かの形にして住民の心に残るようにしてはどうか」と提案。夜久野高原の道の駅、農匠の郷内にある「やくの木と漆の館」を通じて京都美術工芸大伝統工芸学科講師の遠藤公誉さん(漆芸)に相談した。

 遠藤さんは、東日本大震災で、震災復興の一助にと、倒木を木像にして贈った経験があることから、「伐採されたイチョウを調査したうえで、学生の教材として活用することを考えたい」と快諾した。

 伐採は1月6日に福知山地方森林組合が行い、遠藤さんら大学の教員たちも立ち合う。

 衣川さんは「地元住民に惜しまれつつ伐採されることになりましたが、大学生が身につけた技術を生かし、命を吹き込み、価値あるものによみがえらせてほしい」と話している。


写真=伐採されるイチョウ

    

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