近畿地方の輸血用血液が不足している。大きな手術が続いたためだが、例年12月は献血者が減少傾向にあるため、これからの需給状況が一層心配され、京都府赤十字血液センター福知山出張所は「ぜひご協力を」と呼びかけている。27日と12月4日には、福知山市岩井のイオン福知山店で街頭献血がある。

　輸血用血液が不足しだしたのは10月から。急激に寒くなって心臓血管の手術が増えたほか、大量の輸血を必要とする臓器移植も多かった。このため、都市部にある献血ルームの開設時間を延長したり、街頭献血を強化したりと供給増に努めたが、200ミリリットル換算で供給が9万3408人分だったのに対して需要は9万5357人分にのぼり、1949人分が不足。近隣ブロックから支援してもらって、なんとかしのいできた。

　11月も不足傾向は解消せず、苦しい状態が続いている。「これから寒くなるに従い、他ブロックも逼迫して来る。根本的には近畿での献血を増やすしかない」という。

　特に不足しているのがＡ型とＯ型。Ｂ型とＡＢ型も潤沢なわけではなく、協力が求められる。

　福知山出張所では日常的に府北部で事業所などを回って協力要請をしているが、人口減少と高齢化が続くため、どうしても献血数も減少傾向にある。これから冬場に向かうと、風邪薬を服用したりして献血できない人が増えてくるため、「まずは今の緊急事態を乗り越えたい。また血液は長期保存ができません。今だけでなく、継続的にご協力を」としている。

　20日に多保市のスーパーセンタープラント3福知山店で行われた街頭献血には、「新聞広告で窮状を知り、10年ぶりに来た」という人もいて、想定より25人多い85人が訪れ、75人から400ミリ採血ができた。

■27日と来月4日はイオン福知山店で■

　イオン福知山店での街頭献血は、27日、12月4日とも時間は午前10時〜午後0時30分と午後1時30分〜午後4時。400ミリ採血のみ行う。両丹日日新聞24日掲載の広告にある引換券を持参すると、キャンペーンプレゼントがもらえる。


写真＝20日のプラント3福知山店会場には窮状を知った多くの人が訪れ、献血した