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両丹日日新聞2016年10月28日のニュース

ピカソから地元作家まで 地方の画廊が様々に企画

ギャラリーサンムーン ピカソにミロ、ルノワールなど、ちょっとした美術館並みの作品を集めた企画展「芸術の秋−アートに親しむ展覧会」が、個人で営む画廊「ギャラリーサンムーン」(舞鶴市浜)で11月6日まで開かれている。その後には京都府北部在住の女性たちによるフラワーデザイン作品展。23日からは、またビッグネームの企画展を開くなど、さまざまな展覧会が続く。

 JR東舞鶴駅の正面通り(北口、三条通り)にある70平方メートルほどの小さなギャラリー。オーナーの佐藤保明さん(68)はオープン当時を「無鉄砲でしたねえ」と振り返る。

 開廊は1997年7月2日。脱サラしてのスタートだった。

 大学を卒業して2年間貯金をし、25歳で1年半にわたる世界一周の一人旅に出た。「南米、ラテンの空気を実際に感じてみたかった」からだった。欧州に渡ると美術館、博物館を中心に回るようになり、どっぷりと芸術に浸ってきた。

 帰国後はサラリーマン生活を送りながら「舞鶴には美術館が無く、京都、大阪まで出なければならない」とストレスを募らせ、「ならば」と、自分で画廊を始めることにしたのだった。

 「なんとかなるだろう」と楽天的に始め、当初は毎週のように展覧会を企画した。しかし「せっかく作品を貸していただいても、なかなか売れないしねえ。申し訳無いので、初めの頃は自分で買っていました」と話す。

 いま展示しているピカソなどのリトグラフは、この頃に購入したもの。全国に名を知られる前の草間彌生さんの貴重な限定版画や、武者小路実篤の直筆画なども並ぶ。「おかげで貯金は全部使い果たしました。いまはギャラリーの家賃のために働いているようなもの」と笑う。

 著名作家の作品ばかりでなく、地元作家たちの作品展にも積極的。「頑張っている作家さんを一人でも多くの人に知ってほしくて」と、その理由を説明する。「それでも、誰でもいいということはしたくない。ある程度のレベルは守っていきたいし」と穏やかに話す。

 これまでに手がけてきた展覧会は約600回。佐藤さんの人柄を慕って、いろんな人が様々な形で協力して続いてきた。体力、経営とも厳しいが、各地の作家たちが顔を出し、アート好きの市民が立ち寄り、楽しく絵や工芸の話を交わす時間が大好きで、「なんとか、この場を維持したいと頑張っています」。

 入場無料。企画展の時間は午前10時から午後7時(最終日5時)まで。電話0773(63)4858。


写真=画廊に立つ佐藤さん。作品は手前からルノワール、ワイズバッシュ、ピカソ2点

    

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