時代の変遷で食料品店や飲食店などが姿を消してしまっていた京都府福知山市三和町の川合地区に今夏、「おふくろの味 くつろぎ食堂」が開店し、地元の人たちの人気を集めている。地域には移動手段が少ない高齢者が多いことなどから、常連客が日ごとに増えている。
■住民交流の場にと三和町下川合に「くつろぎ食堂」■
食堂は下川合の府道市島和知線沿いにある。経営するのは塩谷元子さん(63)=上川合=。8月まで多保市の国道9号沿いで同じ名前で食堂を約30年間営んでいたが、常連客が年々減り、近くにも飲食店やスーパーができたため、夫の典明さん(57)の実家がある川合地区に移転した。
建物は地元の人が所有するもので、以前はお好み焼き店だった。その後、NPOが事務所として2年間利用していたが、地元から飲食店がなくなり、寂しがる人も多かったという。
木造平屋建て約60平方メートルの広さ。このうち約20平方メートルは倉庫で、残る約40平方メートルが店舗部分になる。カウンター席とテーブル席、座敷があり、合わせて16人ほどが利用できる。
年金生活をする高齢者が多く、気軽に立ち寄れる場にと、コーヒーは200円で提供する。丼や麺類は400円台からあり、ほかに定食類や酒類をそろえている。メニューは酒類を含めると約30種類。日曜日を除いて午前10時から午後9時ごろまで営業する。
新天地に店を構えた塩谷さんは「建物を所有する方の案内で、地元の方や企業へのあいさつ回りができ、一気に来店客が増えました」と喜ぶ。近隣住民だけでなく、寮生活をする企業の従業員、川合地区に来日した外国人も訪れるという。
「川合地区は家族ぐるみの付き合いができる居心地のいいところです。食堂を地元の人の交流拠点にしていきたい。家に閉じこもらずに、食事をしない方でも気軽に来て、世間話をしてください」と話す。
写真=開店したくつろぎ食堂と経営する塩谷さん
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