京都府福知山市萩原出身の漫画家・たかはし慶行さん（31）＝京都市右京区＝が作画を担当する単行本（コミック）「聖樹（まさき）のパン」が販売されている。月2回発行の「ヤングガンガン」（スクエア・エニックス社刊）で連載中で、原作は山花典之さんが手掛ける。たかはしさんは昨年、福知山のパン屋へ取材に訪れており、アイデアの一部として役立てている。

　たかはしさんは滋賀県大津市の成安造形大を卒業。在学中からプロの漫画家のアシスタントにつき、同社の「ビッグガンガン」でデビュー。学園妖怪ストーリー「化けてりや」を4巻で完結し、今回の単行本発売は2年ぶりとなる。

　物語の舞台は北海道小樽市。主人公のパン職人の青年と、ベーカリーペンションを営む姉妹の姿を描く青春群像劇になっている。

　パン屋への取材は昨年6月ごろに行い、原作の山花さんの取材先のイメージと合わせて、パン作りの厨房などを描くのに役立てている。

　また、パンをおいしそうに描くこと、小樽市という限定された舞台の空気をリアルに表現することなどを心がけているという。

　たかはしさんは「『パンを食べてみたい』『小樽市に行ってみたい』と思ってもらえる作品をめざしたい。原作者の山花さんは大ベテランで、自分だけでは思いつかないアイデアを下さるので、漫画家としての成長につなげたいです」と話す。定価581円（税抜き）。


写真＝ＡＶＩＸ福知山店では、ポスターや手作りポップも置かれている