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両丹日日新聞2016年4月19日のニュース

こんな電話は詐欺 犯行音声聞かす装置を大江中生が製作

0418ooecyu.jpg まちから振り込め詐欺などの被害が出ないようにと、京都府福知山市大江町波美、大江中学校(兵井智明校長、100人)のパソコン部は、音声を使って詐欺防止を呼びかける装置を製作している。福知山署と協力して進めており、完成品は各所に置き、役立ててもらう。

 大江町内では最近、振り込め詐欺犯と思われる人物からの予兆電話が相次いでいるため、大江駐在所の岡野正登警部補(39)が、2月に詐欺防止に役立つ啓発物の製作を大江中に依頼した。

 また、大江町の駐在所を核に、地域住民たちが犯罪や事故の無いまちづくりを進めるグループ「安心安全大江ステーション」の会合で、音声で啓発する装置を作ってはどうか−との話も出て、パソコン部が部活動の一環として取り組みを始めた。

 装置は箱型で、詐欺犯からかかってきた電話の声を小型スピーカーから流れるようにしている。電話での詐欺の手口は、電話口に出た人に対して、「あなたは名義貸しをしていて、それは犯罪行為」だと脅し、このことは家族には言わないようにとさとすもので、音声は福知山署から提供を受けた。

 電話は複数の犯人からかかってきたことから、音声は3パターンに分けて聞けるようにしている。装置の盤面に3人の犯人の姿を漫画風に描き、それぞれの口の部分を押すと、声がスピーカーから流れる仕掛けになっていて、複数犯による犯罪に、お年寄りたちが巻きこまれないように注意を呼びかける。音声は入れ替え可能で、様々な詐欺犯罪の手口を知ることができる。

■まずは5台を金融機関などに■

 パソコン部の2、3年生4人と顧問の教諭で作業。音声を出すための基板とスピーカーとの配線作業などに取り組んでいて、まず5台を完成させ、町内の金融機関や病院、駅などに置いてもらう。

 作業中の部員を激励するため、岡野警部補や公庄、南有路、内宮の3駐在所員、安心安全大江ステーションの中川英男代表(72)らが訪れ、助言もしている。

 5台は近く完成する予定で、その後も15台を作る計画を立てている。3年生の野村周平・パソコン部長(14)は「製作を依頼された時は大きな責任が伴うと思い、驚きました。作業には手間がかかりますが、みんなで協力して完成させたい」と言う。

 岡野警部補は「春休みも学校に来て作業してもらったようです。一生懸命取り組んでいただき本当にうれしい。生徒たちと力を合わせて、詐欺の被害防止に努めていきたいと思います」と話している。


写真=装置の作業を進めるパソコン部の部員たち。駐在所員らも訪れ激励。手前右が装置

    

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