特殊詐欺を未然に防いだのをたたえて、京都府警福知山署は16日、福知山市駅南町、中兵庫信用金庫福知山支店の堀敏之支店長（51）と職員の生熊和城さん（33）に感謝状を贈った。

　生熊さんは今月1日、市内に住む担当顧客の女性（71）から、500万円を自身の預金から下ろしたいと申し出を受けた。女性宅へ話を聞きに行ったところ、息子と名乗る男から、会社で失敗して500万円が必要になり、用立ててほしい−と電話があったことを告げられた。

　生熊さんが女性宅にちょうどいた時に、息子を名乗る男から電話があり、女性が連絡先を聞いたが、一方的に切られた。生熊さんは特殊詐欺であることを女性に伝え、堀支店長に連絡。堀支店長はすぐに福知山署へ通報し、被害を未然に食い止めた。

　感謝状贈呈式は福知山署であり、生熊さんと堀支店長に家入紀幸署長が、署長と府警本部特殊詐欺総合対策統括官からの感謝状を渡した。

　生熊さんは「何よりお客様が被害に遭わなくて本当に良かったです」。堀支店長は「今後もお客様が被害を受けないよう、警察とも連携を取りながら防いでいきたい」と話していた。

　福知山署管内では昨年、7件の特殊詐欺事件の被害が発生。被害総額は約4千万円にのぼる。今年に入ってからも1件起き、約200万円の被害が出ている。


写真＝感謝状を受ける生熊さん。右は堀支店長