いつもの黒板が芸術作品に−。黒板をキャンバスにチョークで大作を描き、登校してきた生徒に芸術のすばらしさなどを学んでもらう取り組みが、福知山市土師、京都府立福知山高校付属中学校(細野吾校長、40人)の教室で行われた。「黒板ジャック」と呼ぶ取り組みで、何も知らずに登校してきて絵を見た生徒は「すごい!」「何これ」と目を輝かせた。
東京都の武蔵野美術大学生が全国の小中学校で行っている。付属中では大学生が描く本物の芸術を知り、美術への関心を高めるきっかけになればと企画。大半の時間を過ごすホームルームと近くの教室の2カ所で、大学生7人と福知山高校美術部12人の各チームが14日に絵を描いた。
大学生チームの作品は、付属中の開校1周年を記念し、物語の内容を生徒がそれぞれ自由に考えて楽しんでもらえるようにと、教室での日常と非日常が絡み合うような作品を3時間半ほどかけて仕上げた。
また、高校の美術部員たちは、大学生にアドバイスをもらい、土曜と日曜の計12時間かけて描いていった。中学生に絵の面白さを伝えたいと、全員で協力し葉に止まるカエルを立体的に描いた。
教室に入った中学生は、初めは驚いて足を止めていたが、すぐに近づき、じっくりと眺めてクオリティーの高さに感動していた。中学1年生の高橋ことみさんは「すごく上手でびっくりしました。絵が好きなので自分でも描いてみたいくらい」と笑顔を見せた。
高校美術部3年の梶村帆香さんは「驚いてもらえて本当にうれしい」と喜んでいた。
このあと、4グループに分かれて対話型鑑賞会があり、絵の説明や作者の思いを聞いたり、意見や感想を出し合ったりして、考えを深めていた。
武蔵野美大の女子学生は「生徒が集まり想像を膨らませてくれたので黒板ジャックは成功です」と喜んでいた。
写真=登校後、大学生の絵に驚く生徒たち
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