福知山市は23日、総額880億5500万円（100万円未満切り捨てで表記、以下同）の2016年度当初予算案を発表した。「6月に市長選を控えており、骨格型予算を組んだ」としているが、総額は前年度当初比0・2％増。治水対策や福知山公立大学、ｅ−ふくちやま関連で支出が膨らみ、一般会計は412億5千万円と、過去最高額だった前年度と同額になった。予算案は、条例案などとともに、25日開会の市議会3月定例会に上程する。

　総合的な治水対策として8事業に1億9300万円を計上。内水対策の新規事業では、弘法川と法川流域にある6つの農業用ため池に、水位を調整しやすくする機能を付加する改修などに取り組む。

　治水対策では一般会計以外にも、下水道事業会計で内水による浸水対策を推進するため、土師地区に雨水貯留施設2施設を築造。このほか法川への雨水管敷設工事なども盛り込む。

　4月に開学する福知山公立大学の関連では、運営費が授業料などの収入だけでは賄えないことから、公立大学法人に運営費交付金3億900万円を支出して対応。市民らを対象とした入学支援金、奨学金の給付費も確保する。

　新年度予算のほかに今年度3月補正で、大学内に設置する「北近畿地域連携センター」の施設改修や備品購入費に900万円など、大学を活用した地域活性化の事業に2300万円を計上する。

■公共施設削減、本格着手■

　新年度から本格的に始まる公共施設マネジメントでは、3億100万円を予算化。東部保健福祉センターを市役所三和支所内に移転する費用に3200万円、一部の消防団車庫・詰め所を統合し、新設するため6千万円を計上する。

　集会施設などの地元譲渡の経費に2900万円。15年3月に閉園した雀部幼稚園や、利用者が減少していたり継続利用が見込めなかったりする公共施設の解体費用として、1億7200万円も確保する。

　市周辺部に光回線を敷設した「ｅ−ふくちやま」の民営化に伴い、この事業で借り入れていた合併特例債を借り換えたり、赤字補てんしたりするため、一般会計から特別会計に9億4100万円を繰り出すことも、一般会計の規模拡大の要因となっている。


写真＝公共施設マネジメントで解体される雀部幼稚園