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両丹日日新聞2016年2月 1日のニュース

藍、漆、和紙の技術を後世に 福知山伝統文化を守る会結成

守る会の会長に就いた田中さん 古里の伝統文化を長く後世に伝えようと、福知山市内で藍染め、漆掻き、和紙の手漉きに取り組む3団体が集まり、このほど「福知山伝統文化を守る会」を結成した。後継者育成にかかわる取り組みのほか、それぞれの技を集めた製品作りも考えている。

 3団体は、市内の由良川流域などで藍の栽培、染めをする「福知山藍同好会」(塩見敏治会長)と夜久野町で府無形民俗文化財・丹波の漆掻きを守る「NPO法人丹波漆」(岡本嘉明理事長)、大江町二俣で手漉き和紙の技法を伝える「丹後二俣紙保存会」(田中正晃会長)。

 各団体とも古里に根を下ろし、古くからの技術を継承。文化の普及に努めているが、ともに若い世代を中心とした後継者不足に悩んでいる。

 このため、丹後二俣紙保存会の副会長で、二俣一の田中製紙工業所5代目の田中敏弘さん(54)が昨秋、藍同好会と丹波漆に、若い技術者を育成する受け皿作りを進めるための会の結成を持ちかけたところ、両団体とも快諾し、10月1日に守る会が出来た。

 主な取り組みとしては、各団体の技術を後世に長く伝えていくため、それぞれの取り組みや歴史などを公開し、一般の人たちが体験できる機会を設ける計画を立てている。


■各工房、栽培地巡るツアーも■

 現在各団体で活動する若者たちが、将来の夢などを話し合う交流の場を設ける。バスを使って、各工房、栽培地などを巡るツアーの実施も考えている。

 3団体が集まることで、藍、漆、和紙を組み合わせたコラボ製品を作る取り組みも考案中で、2団体、3団体が組んで製作し、土産物などとして販売するプランを検討している。

 初代会長は田中敏弘さん。副会長には丹波漆の岡本理事長(70)、会計に藍同好会の会員、塩見勝美さん(77)が就いた。

■10日に手漉き和紙の勉強会■

 結成後は毎月会合を開いてきたが、本格的な活動として、今月10日に田中製紙で、藍同好会、丹波漆の会員たちが手漉きの技術を知る勉強会を開く。今後藍染め、漆掻きの現場も訪れる。

 会計の塩見さんは「3団体が力を合わせれば良い発想が生まれ、おもしろいコラボ作品も出来ると思う。知恵を出し合い、市の伝統産業を守っていきたい」と言う。

 岡本副会長は「それぞれの技術や歴史などを知り、認め合うことが大切で、力を持つ3団体が結集すれば、バスを使って、食文化も楽しめる体験ツアーなど様々な取り組みができる」と期待する。

 田中敏弘会長は「手作りの仕事をする団体同士で、課題や悩みも共通している。助け合い、学び合いながら、次の世代に技術を継承していく活動をしていきたい」と話している。


写真=守る会の会長に就いた田中さん。10日には手漉きの技術を学ぶ勉強会が開かれる

    

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