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両丹日日新聞2016年1月21日のニュース

大戦下の外交の全容描く 故・芦田均氏の著書を再刊

「第二次世界大戦外交史」上下2巻 福知山市出身の元首相で外交史の研究家としても知られた故・芦田均氏が執筆した「第二次世界大戦外交史」上下2巻がこのほど、岩波書店から再刊された。大戦下で、世界各国が展開した外交の全容を、膨大な資料を集めて鋭い視点から描いた大記録となっている。

 芦田氏は、1887年(明治20年)に中六人部で生まれた。東大を卒業後、外務省に入省。外交官から政治の世界へ転身し、1948年(昭和23年)3月に第47代内閣総理大臣に就任。戦後の混乱期に日本の復興のために尽力した。福知山市名誉市民。

 法学博士の学位を持つ外交史の研究家でもあり、「第二次世界大戦外交史」は首相を退き衆議院議員を務めていた59年に時事通信社から発行された。

 当初は菊判(縦22センチ、横16センチ)のハードカバー本で、上下巻があり、漢字と片仮名で記載されていた。再刊本は文庫本(A6判)サイズで同様に上下巻があり、漢字と平仮名にして読みやすくした。

 本は日本外交がたどった最悪の過程を、集めた資料から描き出し、後の日本に向けて世間に警告を発している。全49章。上巻は528ページで、ドイツのポーランド侵攻による欧州での開戦などに触れた「ポーランド分割の戦争」から、日米開戦直前の「日本の最後協定案」までを28章に分けて掲載している。

 下巻は544ページで日米開戦に至った過程を書いた「アメリカの最終提案」から、ポツダム宣言や降伏条項の受諾について記した「城下の誓」までを収めている。

■学習院大学長の解説文を巻末に■

 さらに、日本政治外交史などを専門とする学習院大学の井上寿一学長の解説文を巻末に新たに加えた。「第二次世界大戦外交史の同時代のドキュメントであり、アジアの情勢と欧州の情勢を結びつけて、大戦の全体像を描く先駆的な試み。歴史の教訓をめぐる事例研究でもある」と独自性を高く評価している。

 本は上巻が1200円、下巻が1260円(それぞれ税別)。


写真=半世紀以上が過ぎて文庫化された「第二次世界大戦外交史」

    

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