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両丹日日新聞2015年12月13日のニュース

丹波布で包装紙 地域資源アピールにと陶芸家が制作

「丹波布」をアピール 国の無形文化財に指定されている「丹波布」をアピールしつつ、自分たちの作品や商品をすてきに演出しようと、丹波市在住の陶芸家が丹波布を印刷した包装紙を作った。「せっかくなので、ほかの人たちにも利用してほしい」と呼びかけたところ、地元のほか京都市などからも申し込みが舞い込んだ。「同じ丹波地域の福知山のみなさんにもぜひ」と話している。

■国無形文化財 保存会や市も協力■

 丹波布は佐治(現丹波市青垣町)の農家が明治末期まで盛んに織っていたことから「佐治木綿」とも呼ばれている。畑で育てた綿を撚り、糸をつむぎ、草木で染め、機で織る一連の作業をすべて自分の手で行い、横糸に絹を織り込むのが特徴。道の駅あおがきに伝承館がある。

 この丹波布を包装紙にと思い立ったのが、大阪から丹波市氷上町に移住してきた陶芸家の伊藤岱玲さん(45)。京都市立芸大で陶芸を学び、卒業後は有田焼の窯元で7年修業。縁あって1999年の夏に、当時の篠山町に窯を構え翌年から「高城窯」として作陶を始めた。現在も丹波市から通いながら磁器の制作に励んでいる。

 この自身の作品を包むのに良い素材がないか探していて、やさしい風合いの丹波布を知り、包装紙にすることを思い立った。

 自分一人ではなく、多くの人が使えば包装紙の柄に興味を持ってくれる人も増え、丹波布そのものの振興にも役立つ。そう考えて「一緒に利用しませんか」と呼びかけたところ、賛同者が次々現れた。作家仲間のほか、京都市内の小売店などからも申し込みが舞い込んだ。

 包装紙のデザインに使った布は、丹波布技術保存会・技術者協会に協力してもらった。借りた布をカメラマンにボランティアで撮影してもらい、地元の印刷会社で印刷。890ミリ×575ミリサイズの4色カラー包装紙が出来上がった。

 制作には市から地域資源活用促進等事業の助成を得た。伊藤さんだけでなく、かかわった人たちが利益を求めず協力したことから、費用は安く抑えられた。引き続き個人、事業所を問わず100枚単位を実費で提供することにしている。問い合わせは伊藤さん、携帯電話090・2383・4637へ。


写真=包装紙の印刷見本を手にする伊藤さん

    

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