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両丹日日新聞2015年8月25日のニュース

一滴一滴、漆の貴重さ実感 京都美工大生が体験実習

0825urusi.jpg 福知山市と文化芸術振興協定を結ぶ京都美術工芸大学(南丹市園部町)の2年生11人が25日朝、文化庁から「ふるさと文化財の森」に指定されている福知山市夜久野町日置の植栽地で漆を採取する漆掻き体験をした。

 一行は漆芸を学んでいて、自分たちが使う漆がどのようにして届けられるのかを知るため、前日から夜久野入りして合宿。初日の24日は平野の苗畑で草取りなどに汗を流した。夜久野高原の道の駅農匠の郷内、市やくの木と漆の館も訪れ、道具の手入れや体験指導の手伝いなどもした。

 2日目の25日は午前6時に日置の植栽地へ出向き、NPO法人丹波漆の岡本嘉明理事長(69)と若手職人の竹内耕祐さん(27)から、府無形民俗文化財「丹波の漆掻き」について説明を受け、実際に体験をした。

 専用の道具を使って樹皮をそぎ、木肌に傷を付けてにじみ出て来た漆をヘラで一滴、一滴大切に掻き取る。先頭を切って体験をした岡田愛彩さん(19)=福知山市大江町夏間=は、「少ない量しか取れないとは知っていましたが、こんなに少ないものだとは思いませんでした」と驚いていた。

 漆掻きの後は、木と漆の館で漆の精製工程を学習。2日間通して様々な作業をこなし、野上恵理子さん(21)=北海道出身=は「漆の木の苗を育てるところから始め、栽培管理や獣害対策など、採取までにたくさんの手間がかかることが実感できました」と話し、引率した同大工芸学部の遠藤公誉講師(京漆器伝統工芸士)は合宿の手応えを感じながら学生たちを見守っていた。


写真=NPO法人丹波漆の竹内さんらから指導を受けながら漆掻きを体験する学生たち(25午前6時30分ごろ、日置の「ふるさと文化財の森」で)

    

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