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両丹日日新聞2015年6月 1日のニュース

技術と文化守って初鎌 丹波の漆掻き始まる

漆掻き 京都府の無形民俗文化財「丹波の漆掻(うるしか)き」が1日、福知山市夜久野町で始まった。文化と技術を伝え守っているNPO法人丹波漆のベテランと若手職人が、山に感謝しつつ、今年最初の鎌を入れた。

 漆を採取する漆掻きは、かつて全国で盛んに行われていたが、人工塗料や中国からの輸入漆に押されて激減。主産地だった夜久野でも、途絶えそうになりながら命脈を保ってきた。近年はNPOが普及活動とともに植栽にも力を入れ、採取できる木が増えてきた。

 今年採取するのは下夜久野に自生する樹齢20年〜30年の6本と、中夜久野の植栽地にある25本の漆の木。2週間前から下草刈りなどの準備にかかり、きょうの初鎌を迎えた。

 朝早くからNPOの岡本嘉明理事長(69)と、後継者の若手職人、竹内耕祐さん(27)が山に入り、感謝の気持ちを込めて山と木に清酒をかけてから作業を開始。丹波独特の採取道具を使って木の表皮を削り、小さな傷を一筋入れた。

 今後、日をかけて傷を一筋ずつ増やし、しみ出てくる漆の液を専用のヘラで1滴ずつ掻き集める地道な作業が続く。ピークは7月10日ごろから8月末ぐらいまで。作業は9月いっぱい続ける予定。全体で10キロの採取を見込んでいて、半分は京都市内の文化財修繕に使われる。


写真=岡本理事長に指導を受けながら今年最初の鎌を漆の木にあてる竹内さん

    

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