今年度限りで58年の歴史に幕を下ろす福知山市前田、市立雀部幼稚園（大西眞知子園長）で19日、閉園式があり、園児や保護者、元職員、地域の人ら約80人が慣れ親しんだ園舎に別れを告げた。

　卒園式で5歳児13人を送り出したあと閉園式があり、市教育委員会の倉橋徳彦教育委員長があいさつ。卒園児が一列に並んで「たいせつなたからもの」を合唱し、園舎に最後の元気な歌声が響き渡った。

　大西園長は「多いときには4クラス100人以上が通園していました。巣立っていった3467人の子どもたちの前途に幸多かれと願うばかりです。地域に根付いた幼稚園であったことは、何ものにも勝る宝であったと実感しています」と感謝した。

　このあと、開園時から現在までの子どもの様子を撮影した写真をスライドで上映。かつて勤務していた職員らが懐かしんでいた。

　1953年に私設幼童学級として開設。57年に市へ移管され、市立幼稚園として出発した。当初は雀部小学校中校舎を使用していたが、75年に現在地へ新築移転した。

　しかし、市立幼稚園再編計画で4月から福知山、昭和、成仁の3園体制にすることから、雀部と休園していた大正、遷喬も今年度末で閉園することが決まった。


写真＝元気よく歌う卒園児たち