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両丹日日新聞2015年1月31日のニュース

市の光回線民営化に説明会で不満の声続出

0131setumeikai.jpg■難視聴地域の負担増に懸念■

 福知山市は、公設で運営している光ファイバー網を使った「e−ふくちやま事業」の民営化に向けての自治会長向け説明会を、夜久野町額田の夜久野ふれあいプラザで30日夜に開いた。情報格差の是正にと、地上デジタル放送の難視聴地域や高速インターネットの未普及地域の解消などを目的に始めた事業だが、民営化になると利用者負担の増加が見込まれることなどから、自治会長側からは不満の声が相次いだ。

 「e−ふくちやま事業」は、市内全域に光ファイバーをと、民間参入がない周辺部へ06年度から敷設を始めた。初期投資の総事業費に46億円余りをかけだが、市で敷設後に対象地域へ民間事業者が参入したり、インターネット契約が伸びなかったことなどから、15年度までの累積赤字は約18億円を見込んでいる。

■高速インターネット加入は5%■

 ほぼ全域が地デジ難視聴地域の夜久野町の場合、14年6月現在、地デジサービス(月額500円)は93%の約1300世帯が加入しているが、高速インターネット(月額4800円)の加入は76世帯と5%に過ぎない。

 説明会には、市側から情報推進課長らが出席。18年度を最終目標に民営化を進める方針案について、公設公営から見直しが必要になった理由として「当初予定がなかった民間事業者の対象地域への参入で加入者が減少し、国が今以上に高解像度のテレビ放送の商品化をめざしており、民間の技術革新に行政がついていくのは難しいと判断された」とした。

 さらに、「16年度から13年間の事業収支を試算した場合、民営化すれば約53億円財政負担を減らすことができる」と理解を求めた。

 このあと、意見や質問が相次いだ。「今まで何も聞かされず民営化の決定ありきの説明会だ」との批判に対し、担当課長は「突然のことで、市民の方々に心配をかけて申し訳ない。自治会を回ってから方針案を発表するべきだった」と反省の言葉を述べた。「事業開始当時、ある程度の収支の予想はできなかったのか」との質問には、「細かい試算ができなかったのは事実。対象地域の民間参入を予測できなかった部分もある」とした。また「高速インターネットについては18年度に加入者がゼロになると予測しており、民営化を前倒しして進めることも考えている」と答えた。

 「民営化で住民負担が増え、情報インフラでの地域格差が増す。地デジサービスしか利用していない家庭は、地デジと高速インターネットの同時加入しかできなくなった場合、支援策はあるのか」との問いには「地デジサービスは現行の月額500円では難しく、今以上の負担をお願いすることになると思う。ただ、もし新会社に赤字補てんをする場合は、税金を投入するので、全市民が負担をすると解釈してほしい。セット加入ではなく、地デジだけの選択をできる業者を選ぶ」と約束した。

 市では今後、2月に方針案を正式に決め、5月に再整理実施計画を策定。民間事業者を選定したあと、10月から地元住民を対象にした説明会を予定している。


写真=民営化に至った経緯を自治会長らに説明した

    

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