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両丹日日新聞2015年1月23日のニュース

かじかむ手で「寒漉き」 丹後二俣紙

寒漉き 福知山市内で唯一、手漉(す)き和紙を作る田中製紙工業所=大江町二俣=で、厳寒期に行われる寒漉き作業が始まっている。冷え切った作業場の中で、良質の和紙が一枚ずつ丁寧に漉かれていく。

 田中製紙では、江戸時代から、「丹後二俣紙」の製造を続けている。紙漉きは年中しているが、1、2月は植物のコウゾからの原料作りと重なり、最も忙しい時期になる。現在は5代目の田中敏弘さん(53)が手漉き作業を担う。

 寒い時期に漉く和紙は、作業の際に雑菌が繁殖しにくく、コウゾの繊維を分散させる役目がある植物のトロロアオイの粘液の粘度が長持ちし、良質な紙が出来る。

 冷たい井戸水を張った漉きぶね(水槽)の中に、コウゾの繊維を溶かした液とトロロアオイの粘液を入れて、台にすだれを乗せた道具・簾桁(すげた)に液を流し入れ漉いていく。繊維が広がり、和紙の厚みが均一になるよう、簾桁の動きを微妙に調節。丁寧に仕上げる。

 今は書道用や文化財の修復などに使う和紙を漉いている。田中さんは「この時期の作業は手がかじかみますが、今年は冷え込みが続いているので作業には適している。良質の紙が出来上がっています」と話している。

 寒漉きは3月初めごろまで続く。


写真=簾桁を巧みに動かし、丁寧に漉いていく田中さん

    

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